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リハーサル当日(準備)

リハーサルの夜、夢の羽のメンバー含めた冒険者達はライブ会場に集合する。100名以上いるだろうか。シールズオブワールドの者と思われる担当者の指示に従い、集合場所に向かう。今日は全体で事前の確認や調整、準備を行う予定である。


会場を見渡すとライブスタッフと思われる者達が走り回っている。また、偉そうなおじさん達がウロウロしている。上の方にはジェフを含めたシールドオブワールドの幹部の姿もいる。真剣な顔で何かを話しているようだ。


「すごい数の冒険者だな」

「そうだね、この規模のライブになるとこれくらいいないと警備もできないんだろうね」

「荷物チェックとか時間かかりそうだもの。たくさんのスタッフが必要よ」

「見回り警備もこの広さだと大変そうだな」

 夢の羽のメンバー達と話しながら担当者についていく。集められたのはキキが歌う場所の周辺の広場だ。


「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。今回のクエストについては、不審者の取り締まりが主な目的になりますが、先日のパーティであったように怪盗が予告を出しています。必ず怪盗を防ぎたいと思いますのでご協力をお願いします」

 担当者が説明を始める。声を拡散する魔道具で話しているのですごい音の響きだ。


「怪盗については特別気にする必要はありません。とにかく不審者を捕まえることに集中していただければ大丈夫です。皆様は最初にお話しがあったと思いますが、荷物チェック係と見回り係に分かれます。それぞれの仕事内容を説明します。


 まずは、荷物チェック係です。これは複数ある入り口で、鞄や服の中に不審なものを入れていないかを確認する役割です。具体的には刃物などの危険物と、魔道具になります。男女ワンペアで担当していただきますので、女性のお客様には女性が、男性には男性が対応をお願いします。また、検査は紳士的で丁寧な対応をお願いします。決して高圧的にはいかないでください。


 そして不審な物を発見した場合は、その場で没収するかライブ会場からお帰りいただくかを選んでもらうようにしてください。決して中に入れないようにしてください。質問はありますか?」


「判断に迷うものがあったらどうしましょう?」

「1人責任者を配置するので、その方に判断を仰いでください。迷ったら相談、が鉄則です。迷ったけどまあいいか、と通してしまうと後々トラブルになる可能性があるのでそれはないようにお願いします」

「ライブ前が主な仕事になると思うんですけど、ライブ中はどうすれば良いですか?」

「ライブ中も不審な人物が入ってこないように監視する役割になります。数は少ないですが遅れてくる方もいらっしゃるので」


「はい、そんなところですかね。では、荷物チェック担当の方はこちらの担当者について行ってください。持ち場のすり合わせや練習を行います」

 ゾロゾロと冒険者達が移動していく。8割くらいか。俺とライエルのように残されたメンバーは見回り係である。

「さて、見回り担当の方々の説明を始めます。皆様は武器を帯刀した上で、会場の移動スペースなどを歩き回って不審者がいないか、トラブルが発生していないかを確認してください。それぞれの方に担当スペースを設定します。振り分けについては後ほどお話しします。

 

 基本的には怪しい動きをしている者に声をかけること、もしくは観客同士でトラブルが発生している時に仲裁に入るようにしてください。武器を使用するのは最終手段です。威圧用ですので簡単に使用しないでください。最悪の場合逮捕される可能性もあるのでお気をつけください。


 これは手に負えないと判断した場合は、大声とお渡しする煙玉を出して周囲のスタッフや冒険者を集めるように動いてください。警備中に煙玉もしくは声を確認した時にはすぐに駆けつけるようにしてください。質問はありますか?」


「不審者というのはどういった者を想定していますか?」

「キョロキョロと周囲を見渡して何かを探っている様子の者や、酔っ払って物に当たっている者などが挙げられます。まず声をかけて注意するようにして、それでも止まらない場合に関しては拘束して警察に引き渡してください。警察官も見回りを担当する予定です」


「はい、そんなところですかね。こちらも後ほど実践練習を行います。が、しばらくここでお待ちください。また時間になればお声がけします」


何もすることがない。ふと見ると、ステージは既にセットが組まれている。そして何かを真剣な目で確認するキキの姿が目に入った。集中してチェックしているようだ。その後厳しい表情でスタッフに何かを告げている。これがキキの本気モードか。オフの感じとは全く違うな。


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