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二重生活を楽しむ冒険者 ~新人×最強のデュアルライフ〜  作者: だいのすけ
ミオとのデート?
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LV10のお仕事 〜領主との対談〜

 次の日はLV10としてのお仕事だ。サクラの領主から面会依頼が来ているため会いに行く必要がある。立場的には向こうに来て貰うことも可能なのだが…… 一度呼びつけたことがあるが、護衛の騎士が大量に付いてきて非常に目立ってしまった。色々な人に注目されながら話をするのは恥ずかしかったのでそれ以降はこちらから城に訪れるようにしている。先方の希望通りアリエッサとエリスと3人で行く。


「しかしなんだろうな?」

「何かお願いしたいことがあるというパターンではないでしょうか。魔物対峙ではない領主の個人的な用事であることが推測されます」

「そうだな。面倒な依頼でなければ良いが……」

 アリエッサと話しながら城へ向かう。とりあえず集合時間は夕方なので、ディナーを共にすることになるだろう。城で食べるご飯は美味しいので気に入っている。難しい話はアリエッサに任せて俺は食事に集中することにしよう。


 領主はカエサルといい、40代のおじさんである。細身でメガネをかけた紳士風の人間である。武力ではなく頭脳と政治力で成り上がったタイプで、調整事が上手いらしい。ただ話していて厄介だと感じることはない。その辺りは上手くこちらに合わせてくれているのだろうな。普段話す限りただの気のいいおじさんである。


「領主から呼ばれて来た、ヘッズオブドラゴンズのカミトとアリエッサ、エリスだ」

 門番に俺は話しかける。

「お待ちしておりました。このまま案内させていただきます」

 そう門番に言われ、連れてこられたのは大きな部屋だ。中にはカエサルと何人かの文官らしき者が座っていた。


「おお、時間通りだね。とりあえず3人とも座ってくれ」

 カエサルに言われ、俺達は椅子に腰掛ける。

「食事をしながら少し話をしよう。問題ないかな?」

「ええ、大丈夫です。よろしくお願いします」


「最近依頼はどういう物を受けているのかね?」

 早速少し真面目な話だな。ここはアリエッサに任せよう。俺はアリエッサを見る。

「そうですね、皆バラバラにクエストを受けることが多いです。……」

 アリエッサが説明を行う。カエサルは興味深そうに話を聞いている。なお、事前にアリエッサとは変身の話は伏せることで同意していた。面倒な話になりかねないからだ。俺の個人的な自分探しに他の者を付き合わせる必要はない。

「なるほど。色々対応してもらっているんだね。ありがとう。問題であったり不満であったりはあるかね?」

「いえ、特にないです。このまま過ごさせていただければと思います」

「よかった。君達がサクラからいなくなると我々も非常に困るからね」

 カエサルは笑う。確かにサクラの地位を盤石にしているのは高レベル冒険者とチームの存在であることは否定できないだろう。LV10に臍を曲げられたとなると困るのは領主の方なのだ。まあだからといって無茶な要求をするつもりはない。なんだかんだでこの街での生活は気に入っているからな。


 その後もサクラの現状についての話や冒険者ギルドの情報などを共有する。真面目な話はアリエッサの担当なので俺とエリスはひたすら食事に集中している。


「さて、そろそろ本題に入ろうか。今回来ていただいた理由だが、エリス殿に騎士への指導をしてもらいたいんだ。最近出張があったんだが、なかなか強力な魔物と遭遇してね。騎士をより強くする必要があると痛感したんだよ。そこで最強の剣士の一人であるエリス殿に稽古をつけて欲しいと考えてね」

 なるほど。訓練か。確かにエリスの剣はシンプルで綺麗なため参考になることは多いだろう。

「訓練ですか。エリス、どうだ?」


「…… はい、問題ないです」

 エリスを見ると無反応だが、特に嫌というわけではなさそうだ。


「だそうです。こちらとしても拘束日数が長くなければ問題ないですよ」

「すまない、助かる。一日何時間かで数日見てもらえればと考えているよ。詳細はまた詰めることができればと思うが」

「わかりました」


「ちなみに、カミト殿も一緒に指導いただくのはどうだろうか? 貴方の剣も参考になると思うのだが」

「俺の戦い方は魔法も含めてのスタイルなので…… 正直かなり特殊なので参考にならないと思いますよ」

 俺は苦笑しながら断る。本音を言うと訓練など面倒なので断りたいだけだ。エリス一人で十分だろう。育成に興味がないわけではないが、俺の戦い方は騎士の戦い方ではないからなあ。固有魔法に依存するスタイルなので、教えにくいという点が大きい。


「そうか…… 残念が仕方ない。また機会があれば是非頼む」

「ええ、そうですね。では、詳細を詰めましょうか。ここで一気に詰めてしまいましょう」

「そうだな、そのために文官を呼んでいるから大丈夫だ」

 アリエッサと文官が依頼内容の詳細の調整に入った。基本はアリエッサに任せておけば問題ない。しかし俺のチームはアリエッサ頼みだな…… アリエッサがいなくなったら大変なことになりそうだ。


 俺達は詳細内容を合意した。食事も終わったので礼をいって退席する。とりあえず向こうの要望は満たすことが出来たようなので大丈夫だろう。後はエリスに頑張ってもらおう。


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