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二重生活を楽しむ冒険者 ~新人×最強のデュアルライフ〜  作者: だいのすけ
ミオとのデート?
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レナ、夢の羽に臨時加入 〜後編〜

 様々な魔物を片付けながら森の奥へ進むこと1時間。前方にケンタウロスを発見した。

「よし、ケンタウロス発見。遠距離攻撃は……多分避けられるだろう。出来る限り気づかれないように接近するぞ」

 ライエルの指示に従い、俺達は足音を殺し接近する。ケンタウルスまで50m、25m、10m…… ポキッ。誰かが木の枝を踏んでしまったようだ。そしてその音に反応したケンタウロスと目が会う。

「はは、バレちまったか。マルク、レナさん、防御を頼む。アズサはポイズンだ! カミトは俺と突撃するぞ」

「「「「了解!」」」」

 雄叫びをあげながら突進してくるケンタウロスと対峙する。4本足なだけあって、移動速度は速いな。カキーン。レナがケンタウロスが振り下ろした斧を剣で受け止める。


 ケンタウロスの攻撃は、手に持っている大きな斧を振り回すことに特化している。ただ移動速度が速い上に筋力もあるので、半端な冒険者だと受け止めきれずに吹き飛ばされてしまう。流石騎士だけあって、レナはきちんと受け止めている。

「アップ!」

「サラマンダ!」

 俺とライエルは魔法を発動し、剣で切り付ける。ぎしっ。少し切り傷をつけることに成功した。しかし明らかに軽症だ。


 魔物の厄介な点は、放っておくと自然に回復してしまうことだ。一度退避して休憩を取る、なんてことをしてしまうとまた全快の魔物と対峙する羽目になってしまう。なので出来る限り間を空けず攻撃し続ける必要がある。


 レナとマルクに防御を任せて、俺とライエルは切り続ける。

「レナ、マルク! 防御は問題ないか?」

「二人で抑えれば大丈夫! 一人だと、あまり持たないかもしれない!」

「了解!」

 二人で攻撃し続けるしかなさそうだ。


 ぐふっ。マルクが攻撃を喰らったらしく吹き飛ばされているのが視界に入る。

「どうした! 何があったんだ!」

「ケンタウロスが左手で殴りつけてきました!かなり厳しい状況です!」

 焦った様子のレナ。マルクにはアズサが急いでヒールの魔法をかける。少し復帰には時間がかかりそうだ。

「わかった!左手は俺が食い止める!」

 俺は咄嗟にそういうと、攻撃対象を左足から左腕に変更する。ヒットアンドアウェイでパンチを躱しつつ着実に攻撃を繰り返していく。一撃喰らうだけで吹っ飛ばされるほどの威力だ。油断はできない。


 しばらくするとケンタウルスの攻撃対象が変わった。明らかにライエルを狙っている。ライエルを俺やアズサより弱いと判断したようだ。

「ライエル、下がれ! 接近戦は危ない! マルクと二人で遠距離魔法で攻撃してくれ! 俺とレナで動きを止める!」


 ライエルとマルクには斧やパンチが届かない距離から魔法で攻撃してもらう方が良いだろうと判断する。ケンタウロスの足どめは俺とレナの二人で攻撃と防御・回避を繰り返せば十分可能だろう。


「スロウ!」

 念の為ケンタウロスの速度を落としておく。LV3の魔法なので少し速度が落ちたくらいだが、精神的に少し楽になる。まだまだ戦い続けれそうだ。


「ファイア!」

「ストーム!」

「ポイズン!」

 ライエル、マルク、梓の魔法が着実にヒットする。効いているようだ。少し迫力がなくなってきた。俺とレナは引き続きケンタウロスの攻撃を時には躱し、時には盾で防御しながらダメージを蓄積することに集中する。


 ガガガ…… 戦闘開始から30分、ケンタウロスの撃破に成功した。

「はあ、はあ。なんとかなったか……」

 レナ以外の全員息も絶え絶えである。改めて重い返すと久しぶりに強敵と言える存在に出会った気がする。このチームでは安全を重視して比較的余裕を持って戦っていたので、夢の羽としては最も強敵な魔物だっただろう。

「これ、4人だったら間違いなく敗走してたね……レナさん助かったわ」

「いえ、お役に立ててよかったです」


 レナはまだ余裕がありそうだ。騎士は鎧を着て長時間の移動と警備を行うことが多いため体力は極めて重要である。さすがはLV3程度の冒険者とは桁が違う体力だ。

 とりあえずまた、強敵が出ると厄介なので早く撤退しよう。そう俺は提案すると、すぐに討伐証明部位を切り取り、撤退を開始するのだった。


「討伐証明部位を確認しました。 こちらが依頼達成の報酬となります。お疲れ様でした」

 冒険者ギルドの受付で依頼完了の報告を行い、報酬を受け取る。報酬を5等分して全て完了だ。


「今日は貴重な機会をありがとうございました。楽しかったです。また機会があればよろしくお願いします」

 レナはそう言うと去っていった。

「いやー今日は疲れたな。今日は解散するか。明日は軽い依頼にしよう」

 ライエルの声に俺達は頷くと疲れた足で自宅へと帰宅するのだった。


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