表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二重生活を楽しむ冒険者 ~新人×最強のデュアルライフ〜  作者: だいのすけ
ミオとのデート?
27/74

不思議な矛盾

 今日は夢の羽としての活動は休みである。ただ、俺は気になったのでいつものように変身して朝ごはんを銀の雫に食べに行く。


 ミオは今日も元気に働いている。落ち着いた時間を見計らって俺はミオに話しかける。

「お疲れ、今日も忙しそうだね」

「お疲れ様です。ありがたいことです」

 ニコニコとするミオ。

「あ、そういえば昨日は最高だったんです! 遊園地に行ったんですけど1日楽しめましたね。特にナイトパレードが面白くて」


 サクラには大きな遊園地がある。様々な乗り物や独自のキャラクターが登場する、人気の施設だ。乗り物の待ち時間が長いのがネックなため俺は行ったことがないが、サクラで知らない者はいない場所だろう。


「昨日は遊園地に遊びに行ってたの?」

「そうです! 午後からお休みをいただいて友達と遊びに行ってました」

 ミオは午後から夜まで遊園地に居たようだ。遊園地はサクラの中でも外れの場所に位置しており、馬車でも1時間はかかる場所にある。


「そうなんだ。あれ、昨日の夕方会ったよね……? 話したと思うんだけど」

「一日テーマパークにいましたけど……? 誰と間違えてるんですか? 顔だけならまだしも声も間違えるなんてひどいですよ」

 ミオは少し不機嫌そうだ。確かに仲がいい?人に見間違えられるだけではなく会話をしたとまで言われると少し嫌な気分になるだろう。俺は謝って、誤魔化すようにコーヒーを飲んんだ。どういうことだ……?


「ああ、そういえば姉かもしれないですね! よくそっくりだと言われる姉がいるんです。領主の騎士をしているのですが昨日護衛任務を終え、久しぶりにサクラに戻ってきているはずなんですよ」

 騎士とは、偉い人の部下として警備や護衛をする者達のことである。弱い騎士を抱えていては評判が落ちるため、有力者はどれだけ優秀な騎士を確保できるかに力を入れている。冒険者を金でスカウトすることもよくあるようだ。


「お姉さんがいるんだ。領主の騎士とはすごいね」

「そうなんですよ! 自慢の姉です! あ、でも声は全然違いますけどね」

 結局ミオには睨まれることになった。見た目は似ていても声が違う姉……。昨日の夕方会ったミオの声はどうだったかな。違和感を感じなかった記憶はあるがどんな声だったかは思い出せない。とりあえず姉と会ったら何か思い出すか。


 その頃、ヘッズオブドラゴンの拠点にて。

「あら、今日はここに引きこもり?」

 アリエッサがラウンジでぼんやり座っているエリスに話しかける。もう朝と言っても遅い時間になるこの時間に、エリスがまだラウンジにいるなんて珍しい。

「うん…… 朝のトレーニングは終わったから今日はのんびりする。カミトからも休むよう言われているから……」


「そうね、あんまり働きすぎると身も心も疲れるからね。ゆっくりしなさい」

「うん。ところでさ…… カミトは今何しているの?」

「マスターはLV3に変身して冒険者ギルドの依頼を受けにいくところじゃないからしら。最近は色々な依頼を受けていて忙しそうよ」

「そうなんだ…… 弱くなって活動するのって面白いのかな……?」

「さあ、どうなのかしら。ただマスターはとても楽しそうにしているわ。私は興味ないけど色々良いことがあるのかもね」

「そう…だね…。ねえ、私達もお互い変身して模擬戦やってみない……? LV2か3くらいなら戦っても問題ないはず……」

「貴方は本当に戦うのが好きね……。いいわ、訓練場で少し戦いましょうか。最近あまり魔物との戦いをしていないから体が鈍っているし」


 エリスとアリエッサは地下にある訓練場に向かう。そこで、二人で変身をし、弱体化した状態で模擬戦を行うのであった。

 遠距離攻撃中心のアリエッサと近距離攻撃中心のエリスの相性はあまり良くない。距離を確保しようとするアリエッサと、距離を詰めようとするエリスの間の取り合いが多くの時間を占めることになるからである。


 アリエッサの戦闘スタイルは遠距離から強力な攻撃魔法で敵を殲滅させるスタイルである。敵が接近してきても空を飛ぶ魔法「フライ」を保有しているので空中に飛び立ち距離を強制的に取ることもできる。


 一方エリスは接近戦で一気に決着をつけるスタイルを取る。高い運動能力と自己加速・スロウ、この2つの魔法を組み合わせて一気に相手に接近し、剣捌きで勝負を決するのが得意技だ。


 お互いに間合いを確保しながら戦うこと1時間。引き分けの状態で戦闘は終了する。

「ふう。ありがとう。やっぱり決着はつかない……ね?」

「そうね、いい運動になったわ。いつか決着をつけたいけど、難しそうね」

「次は勝てるように何か考えておく……」

 そういい残しエリスは部屋へ戻っていくのであった。


よかったらブックマークや感想などよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ