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二重生活を楽しむ冒険者 ~新人×最強のデュアルライフ〜  作者: だいのすけ
ミオとのデート?
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二重生活

 最近は、昼はLV3としてクエストをする日が多く、夜にヘッズオブドラゴンに戻り会議で指示する日々だ。まあ指示と言ってもアリエッサから情報共有してもらうだけのことが多いが。俺は忙しいながら充実する日々を送っていた。


 今日はまた、夢の羽でクエスト活動から1日が始まる。まず、今日戦う魔物はエビルアイ。大きな目を持ち、空を飛ぶ魔物だ。それほど高い位置を飛んでいるわけではないので剣で攻撃できないわけではないが、移動速度が早い。


 そして、邪眼による攻撃を喰らうとしばらく錯乱状態になる点がネックである。とはいえ、遠距離攻撃ベースで戦えばそれほど強い魔物ではない。

「アロー!」

「サンダー!」

「ウインド!」

 3人が魔法で攻撃している間に俺はエビルアイに接近する。

「アップ!」

 剣の攻撃力を高め、俺は攻撃を行う。邪眼の攻撃を喰らわないように、ヒット&アウェイが基本的な戦い方だ。また、羽根による攻撃や体当たりには注意しながら攻撃と回避を続ける。


 自慢ではないがLV10の時は剣技では「白の美剣士」と呼ばれるエリスにも引けを取らない。まあ保有魔法あっての話ではあるが…… とはいえ、魔法なしでも剣技には自信がある。エビルアイ如きの攻撃を喰らうほど弱くはない。


 スローを使うまでもなく止まって見える攻撃を交わしつつ目に攻撃を加える。切りつけた後は素早く離れ、3人の遠距離攻撃だ。エビルアイはそうしてあっさりと倒された。


「まあこの程度の相手なら楽勝だな」

「そうだね、ダメージもなく良かったよ」

「でも、あえて言うならカミトの攻撃時にも遠距離攻撃できるようになったらもっと効果的だったかもね」

「そうだな、そこまで連携を極めたいな」

 討伐証明部位を切り取りながら反省会をする。エビルアイの討伐証明部位は大きな目だ。アイテムボックスがあるので持ち運びは容易であるが、単純に気味が悪い。


「こんな大きい目何に使うんだろうな」

 人の顔くらいの大きさがある目を前にライエルが呟く。

「よくわからないけど魔道具作りに使用するらしいわ。よくこんな気味が悪いものを扱えるなと尊敬しかないわ」

「だな…… よし、次の魔物対峙に行くぞ」


 次に狙うはカーバンクルだ。額に赤い宝石を持つ小さい魔物で、素早い点が難敵だ。宝石は高価格で売ることができるため人気の魔物だが、推奨レベルは3になっている。


「前方にカーバンクル発見。気づかれる前にアズサは弓矢で攻撃だ。マルクは防御の準備」

 ライエルが小声で指示をする。カーバンクルは額に宝石と共に一本の角を持っており、猛スピードで突進してくる。動きが早く遠距離攻撃が当たりにくい点、また突進の攻撃力が高い点が加味されLV3扱いになっている魔物だ。


 どんっ。弓が当たると同時に俺達を発見し、こちらへ突進してくるカーバンクル。

「マルク、頼むぞ!」

「ああ、シールド!」

 マルクが盾を構えカーバンクルの進路に立ち塞がる。ガキンっ。両者は衝突し、鈍い音がした。


「よし、全員で攻撃だ!角には気をつけろ!」

 ライエルの指示を皮切りに各々近距離攻撃を行う。アズサは距離をとりながらポイズンでダメージを蓄積する作戦のようだ。

 シュッ。俺の顔の横にカーバンクルが突っ切って行った。早い。突き刺さっていたらダメージは免れなかっただろう。

「うさぎみたいな見た目でこんな好戦的なのは勘弁してほしいよ」

 盾と剣を構えながらぼやくマルク。確かにガーバンクルは見た目は可愛いんだけどなあ。昔にはペット化に挑戦したこともあったらしいが失敗したらしい。まあ角で突き刺されたら一発で病院行きの魔物だ。


 エビルアイの時より気を遣いながら攻撃を繰り返す。

「キュー」

 俺達は15分以上の戦いの末、撃破した。討伐証明部位の角と、高額になる宝石を回収する。

「いやあ、ぱっと見はエビルアイの方が強そうだけど、ガーバンクルは厄介だね。あまり戦いたくない敵だよ」

「私も役に立てないから次は違う敵がいいわ。ちなみにLV相当のビックガーバンクルという魔物もいるらしいわ。スピードはそのままにサイズだけ大きくなったらしいけど……」

「それはまた厄介な魔物だな……」


 こうして俺達はクエストを終え、冒険者ギルドに帰還する。討伐証明部位を提出し、報酬を受け取ると夢の羽は解散した。


 俺は真っ直ぐ帰宅し、そのままヘッズオブドラゴンの拠点に向かう。するとラウンジにはエリスがいる。

「おお、クエストは無事に終わったか?」

「あ、師匠。久しぶり。うん、弱かったけど数が多かったから楽しめた。良い気分転換になったよ」


 エリスは圧倒的な剣の才能を有している剣士であり、保有魔法である「自己加速」と相手のスピードを遅らせる「遅延」を組み合わせることで世界最強の剣士の一人と言われている。見目麗しい容姿をしており、常に白い鎧を着ていることから「白の美剣士」とも呼ばれることがあるフェアリーの女性だ。


「しばらくゆっくり休めよ」

「うん、久しぶりにトレーニングと休息だけにしようと思う」

 エリスは話しかけると答えてくれるが基本的には無口である。そして剣の訓練が大好きで時間ができると剣のトレーニングをしているやつだ。ちなみに俺のことを「師匠」と呼ぶのは昔剣による対決で勝利したからだ。あの時は肝を冷やしたのであまり戦いたくない。普通に凄まじい攻撃で怖いんだよな。

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