表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二重生活を楽しむ冒険者 ~新人×最強のデュアルライフ〜  作者: だいのすけ
新人冒険者としての活躍
21/74

動き出す事態

 俺は、ここまでの推理をジェフに説明し、怪しい魔道具を販売している店と、アンデットを生み出す魔道具を販売した店、売った相手を特定するように頼む。

「なるほど。状況は理解した。可能性はありそうだな、怪しい魔道具屋は把握しているから、それくらいなら簡単だ。今日中にはわかると思う」

「助かる、よろしく頼む」

「ああ、これは貸し一つな」

 俺はうなずき、クエストの集合場所へと向かった。


 クエストが終わると、俺はシールドオブワールドの拠点へ向かい、ジェフに状況を確認した。


「魔道具屋は、軽く脅したらすぐに話したよ。アンデットのような魔物を生み出す魔道具を販売したという個数は全部で10個だ。販売先には10名の冒険者や一般市民が該当したよ。ただ道具屋曰く、どれも他者を驚かす程度の効果しかないらしいんだ。そもそも血を生贄に捧げる程度では効果は薄く、アンデットを召喚するような能力は出せないらしいぞ。そしてどれも間違いなく新しく来た盗賊がばら撒いたものだったが、違法性があるとは言えない魔道具だった」


 ジェフから調査結果について、報告を受ける。完全に当ては外れてしまったようだ。

「推理は興味深かったが、何か間違っているのかもな。また手伝えることがあったら教えてくれ」

 ジェフに見送られ、拠点に戻りながら俺は考える。推理はどこか間違っていたのか。それとも道具屋が嘘をついているのか。俺は考えながら拠点へと帰宅する。


「道具屋に怪しい魔道具をばら撒いたのは間違いなく新しくきた盗賊だ。ただ、厳密に違法と言える魔道具はなかった」

 ジェフの言葉に俺はふと違和感を覚えた。違法ではない魔道具しか売り捌かないことはあるか……? 薬物を売り捌く盗賊が合法な魔道具しか扱わないとは思えない。ただきっとジェフも非合法な手段を使って聞き出しただろう。道具屋も命が大事だから嘘はつかないはずだ。つまり盗賊は非合法の魔道具は別のルートで捌いている……?


 ここでヴェラが言っていた言葉を思い出す。

「強力な魔道具はコレクターに直接会わないといけないことが多いから面倒」

 より強力な、違法と言える魔道具は直接捌いている可能性があるんじゃないか?


 身近な者で、違法の魔道具を集めている可能性があるのは、魔道具コレクターのヴェラか。ただ魔道具コレクターというだけで犯人扱いもなあ。とはいえ、イオン・リバティの関係者が犠牲になっているケースが多いことはわかっている。怪しい3人ではある。他に怪しいやつは…… いた。知り得るはずのないことを知っていたあいつだ。なんであのタイミングであの事を知っていたんだ?


 とにかく、行動に出るとすると満月の夜だから明日の夜だろう。どこかを攻撃するのであればあまり強い冒険者がいない村だろう。ただ、そういった村は閉鎖的だ。外部の者が滞在するような場所ではない。明日の夜のうちに侵入して、こっそりアンデットを発動するだろう。今ならまだ間に合うかもしれない。今のうちに色々確認しよう。俺は拠点に戻り、アリエッサ・アン・エッジを召集した。


「皆に今日中に調査をお願いしたいことがある。まずはアン、女の尾行をお願いした。特徴は……、目的は盗賊とのコンタクトがあるかを確認することと、不審な行動をしていないかを確認することだ」

「わかりました」

「次にエッジ。警察に行って身元が判明している被害者を聞き出してくれ、そして判明しているチームのメンバーに…… を見たことがあるかを確認してほしい」

「了解です」

「最後はアリエッサだ。……、……、このあたりが地名の候補だろう。この地名に該当する場所への移動時間を確認して欲しい」

「はい、至急探します」

「すまないがよろしく頼む。明日の朝には動き出す必要があるんだ」


 数時間後、アリエッサから報告を受ける。

「強力な魔物を利用して3時間程度の場所でした。通常の馬でしたら6時間くらいかと思います」

「やはり決行は明日の夕方以降だろうな。ありがとう」


 警察経由でチーム巡りをしてもらったエッジも帰宅した。

「確認したがカミトさんのいう通りでした。犠牲者の身元が分かっている6名のチームメンバー全員がXXを見たことがあるそうです」

「やはりそうか、ありがとう」


 深夜、アンが戻ってきた。

 夜の尾行が得意なアンはXXが怪しげな男達と会っているシーンに遭遇する。

「リーダーの男はかなり強そうな雰囲気がありました。私だと勝てるか怪しいくらい」

「手を出さなかったのは懸命だな。助かった」


 これで、ピースは揃った。後は明日の朝、推理を突きつけて証拠を提示するしかないな。証拠は、恐らくあそこにあるだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ