第6章:合コンカラオケに行ってみた~その3
お兄さんが部屋を出てから、3分位経ちましたが、誰も来る様子がないので、とりあえず自分が歌う事にしました。
イントロが流れて、歌い出したところで、
「コンコン」
と、ノックした方がいました。
「どうぞ~」
と、言うと、お部屋に1人の女性が入って来ました。
ロングヘアーで小柄な方でした。
「失礼しま~す」
「あ、はい…どうも」
「あの~、選んでもらってありがとうございました」
「えっ、1人?」
「あ、私は玲奈っていいます」
自分達は、玲奈さんに名前だけを名乗ると、
「合コンカラオケって、マッチングするとお1人で来るんですか?」
「実は、俺達ここのシステムよく分からなくて」
「ヤッベ~何かすげえ緊張してきた」
と、言っていたら、
「私~、とりあえず偵察に来たんですよ~」
「あぁ、そうなんですね」
「でも~、いい人そうだから、後で2人も連れてきますね」
その間に、一旦消えたモニターが復活して、自分達と玲奈さんがいたお部屋だけ画面が消えていました。
残りの1時間は、玲奈さんがいた部屋が空いたままかと思ったら、モニターが再びついてそこに違う女性グループが入って来ました。(これがキャンセル待ちの方です)
カップリングした自分達の部屋のモニターは、消えたままでした。
その数分後、
「お邪魔します~、香澄で~す」
「こんにちわ、私は千花って言います」
香澄さんは、ベリーショートで細身の方で、千花さんはセミロングですらりとした体形をしていました。
自分達も2人に名前だけを名乗ると、そこから合コンカラオケがスタートしました。
その数分後に、
「コンコンコン」
「失礼します」
と、言って受付のお兄さんが、ポッキーを持ってきてくれて、
「マッチングしたので、男性は女性に、女性は男性に1本づつ食べさせあって下さい」
と、言ってきました。
ちょっと照れましたが、お互いポッキーの食べさせ合いをしてから、少しお話しました。
内容は、3人の繋がりは?とか、カラオケはよく来るの?とかでした。
その後、男女1人づつペアになって、1曲づつデュエットしました。
終了10分前に、デュエットした同士で連絡先を交換しました。
「あ~楽しかった」
「怖い人じゃなくて良かったです~」
「え、何それ~、失礼な!」
「あの~、けっこうモテるんじゃないですか?」
「いやいや、俺なんて全然ダメですよ」
「千花さんって彼氏いそうな感じですね」
「え~、そう見えますか~いませんけど…」
「今度は、飲み会に連れてって下さいよ~」
「じゃあ、今週中に連絡するから飲もうよ」
てな感じで、お部屋の中で大体のお話がまとまったので、帰りは受付けの所でお兄さんに、
「今日は、お世話になりました」
「ありがとうございました~」
と、お礼を言った後、入り口でバイバイして解散しました。