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軽いスーツ

「軽いスーツが欲しいなあ。」平日の昼下がり、声が聞こえた。僕は、公園や広場のような場所で、ベンチに座って友人を待っていた気がする。ベンチは自動販売機の近くにあったのだが、その前に若い男性二人組が立ち止まった。雰囲気からの推測でしかないが、社会人というより大学生の持つ幼さが印象的な二人だった。「うちの会社は制服みたいに、独自のスーツがあるんだ。」めちゃくちゃ軽いんだぜ、と自慢気な彼。小銭を投入しながら羨望の、えー、という声を漏らし、光るボタンを押す。「良いなあ。それなら仕事も楽そうだ。」屈んで缶コーラを取り出すと、今度はもう片方が小銭を入れる。「ああ、すっげえ楽。動きやすいし、通勤も苦じゃない。」良いなあ、という声を聞きながら、ボタンを押した。「あ、でも。」落ちたにしては軽過ぎる音。何、との声を聞きつつペットボトルを取る。「それを理由に、休日も呼び出されるんだ。」彼等は重そうにスーツを纏っていた。

軽い欲、軽過ぎる要求、重い肩。


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