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姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
278/281

姫様、二人旅

国境の関所を発ちメーレの町を目指すアナスタシアとグレン。


「それで、今まで何してたんだよ?」

「うん。それがね……。」


アナスタシアはグレン達と別れオッグスを追ってからの事を話した。

渓谷付近の森での闘い。

オッグスの死。

謎の尼僧グリッドに助けられた事。

グリッドの元での修行生活。

そして、エドワードの再戦。


「で、倒れてたとこを兵士に拾われたってことか。」

「どうやらそうみたい。気を失って目が覚めたらあそこにいたから。」

「は~。なんとまぁ……。」


アナスタシアの話を聞き終えたグレンは言葉を失っているようだ。

話終える頃には日が落ちようとしていた。

二人は丁度良さげな大木を見つけるとその下で野宿をする事にした。


「このまま歩けば明日の昼くらいにはメーレの町に着くね。」

「ああ。そこで馬を調達してアステリアを目指すっと。」

「うん。」


二人は焚き火を囲いながら夕食をとる。


「馬もだけど私の剣を買いたいよ。丸腰なのは……。」


アナスタシアが使っていた剣はエドワードとの闘いの時に紛失してしまった。

どうやらあの暴風で飛ばされてしまったようで、一応兵士達に聞いてみたのだが、アナスタシアが倒れていた周辺には見当たらなかったらしい。


「そうだな。この先魔物と出くわすかもしれないしな。」

「うん。町に武具屋があればいいけど。」

「しかし……その尼さん。えっと……。」

「グリッド。」

「そう。そのグリッドってのは何者なんだろうな。あのオヤジ剣士を倒すなんてな。」

「う~ん。なんか世界中を旅してるんだって。とてつもなく強いっていうのはわかるんだけど、詳しくは聞かなかった。」

「ふぅん。まったく……世界は広いぜ。そんなやつらがゴロゴロいるんだからよ。」

「だね。私もまだまだだ。」

「はっ!俺もだぜ。」


二人の笑い合った。

食事を終えると明日に備えて早々に休むことにした。

用心のため朝まで交代で寝ることにし、先にアナスタシアが見張り番をすることにした。


「ふふ……。」


焚き火を見つめながら微かに笑うアナスタシア。


(なんか、こういうのもずいぶん久しぶりに感じる。)


実際は一週間しか経っていないはずだが、色々な事がありすぎたせいでそんな風に感じてしまう。


(ジイ……プリシア……。)


アナスタシアは星空を見上げながら未だ会えていない二人の事を思った。

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