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姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
271/281

姫様、放つ

「死なぬように手加減はしてやる。」


高く跳躍したエドワードが細剣を構える。


吹き荒れる(レイジング)……。」


(来るかっ!)


アナスタシアは馬上で振り向きながらエドワード見据える。


「ありがとう。さぁ、お行き!」


疾走する馬の首を優しく叩くとアナスタシアは馬から飛び降りる。


(何っ!?)


予想外のアナスタシアの行動に驚きが隠せないエドワード。

アナスタシアは地面を転がり即座に立ち上がると剣を振りかぶる。


闘気(フォース)……。」


(まさか!)


エドワードがアナスタシアの企みを察する。


(スラッシュ)!!」

魔風(サイクロン)!!」


同時。

否、アナスタシアの方が早かった。

魔装具の魔力を使った大技を放ったエドワードに対しアナスタシアは闘気を飛ばしただけの技でしかない。

いかにエドワードが手練れでも発動までの時間において先手をとられてしまう。

そして、


「ぐはっ!!」


発動後には僅かとはいえ隙が生まれてしまう。

そこにアナスタシアの闘気斬が襲いかかった。


(しまった!!)


突き出した細剣を手放してしまう。

その瞬間、アナスタシアに向かって放たれた"吹き荒れる魔風レイジング・サイクロン"が制御を失ってしまう。


「ぬわぁぁ!!」

「きゃーー!!!」


その名の通りにアナスタシアとエドワードを巻き込みながら魔風(サイクロン)が吹き荒れる。


(やられたな。)


エドワードは己の技を浴びながら冷静に思考していた。


(我ながら柄にもなく挑発に乗ってしまった。これが狙いだった訳か。)


激しい風に身体の自由を奪われながらも口の端を上げて微かに嗤う。


(しかしこれではあの娘も……。)


魔風に巻き込まれる直前、同じくアナスタシアも奔流に呑まれていくのが見えた。

暴風は二人を空中に巻き上げながらしばらく辺りを荒らし、そして消えた。







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