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姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
245/281

姫様、見つける

「違う……鳥じゃない。あれは……。」


アナスタシアが目を凝らしている間にも黒い影はこちらに向かって飛んで来ている。

アナスタシアは咄嗟に黒い影が来ている方向に向かって走りだした。


(もし魔物なら村の中で戦うわけにはいかない!)


これ以上被害を出さない為にも村から離れた場所で迎え撃ちたい。

徐々に近づくにつれアナスタシアは確信する。

あれは鳥なんかではなく、巨大な虫。

いや、虫型の魔物だ。


(ここから先はっ!)


アナスタシアは前方を飛ぶ魔物に向かって手を付きだす。


火球(ファイアボール)!」


放たれた火球は真っ直ぐ魔物へと飛んでいく。

魔物はすぐに向かってくるそれに気づき上昇し避けた。


「さあ、来いっ!」


ここなら戦っても村への被害はない。

アナスタシアは剣を抜き構えた。

魔物はアナスタシアの存在を認めると不快な羽音をたてながら一気に滑空してきた。

(アナスタシア)の前に着地すると耳障りな声をあげる。


(間近で見ると……。)


村人の話で聴いた通り魔物は甲虫の姿をしていた。

しかし、見たことない程の禍々しさだ。

胸部から生える6本の足は丸太の様な太さだ。

更にそれとは別に巨大な鎌の様な腕が2本生えている。

頭部には鋭い角と2本の触覚。

さらに左右に3つずつ赤く光る眼球が付いていた。

その無機質な眼がアナスタシアを捉えると補食しようと向かってきた。

アナスタシアの身体を闘気が包み込む。


(よしっ)


魔物の突進を左に跳んでかわしたアナスタシアはすかさず魔物に斬りかかる。


「たぁ!!」


魔物の背に剣を振り下ろす。


ガキーーンッ!!!


金属同士がぶつかり合う音をたて、アナスタシアの剣は弾かれた。


「うわっ!?」


たじろぐアナスタシアに向かって魔物の腕が振り下ろされる。


(速いっ!) 


即座に後方に跳びこれを避けるアナスタシア。

前方の地面には鋭い魔物の腕が突き刺ささる。

アナスタシアは再び魔物に斬撃をお見舞いするが、先程と同じ様に弾かれた。


(くっ……なんて固さだ。)


甲虫と同様に魔物の身体は丈夫な外骨格で守られており、アナスタシアの攻撃を受け付けない。


(闘気を通わせた剣でも弾かれるなんて。)


アナスタシアの額に汗が伝った。







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