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姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
196/281

Interlude

「やったな。」

「うむ。いかに奴とて……。」


ヴォルフが言いかけるとグレンが膝をついた。


「大丈夫か?どれ治してやろう。」

「すまん。ちょい無理しすぎたかもな。」


そこにプリシアがかけよって来る。


「ヴォルフ様っ!グレンさんっ!ご無事ですか?」

「ああ、なんとかな。」


グレンが地面に座り込みながら答える。


「お主もようやったな。」

「い、いえ……私は。」


ヴォルフに誉められ照れるプリシア。


「で、これからどうする?」

「ふむ。残りの馬車で儂らも二人の後を追おう。御者の三人はここで帰してやるかの。」


離れた場所にある馬車を見ながらヴォルフが言う。


「そうですね。危ない目に合わせてしまって申し訳なかったです。」


それはプリシア達も同じなのだが、なぜかプリシアが謝る。


「こいつぁどうするんだ?」


グレンがエドワードを閉じ込めた石壁を指差す。


「ふむ。そうじゃの……。悪いが丸一日はここにいてもらおう。明日の今頃には壁が消えるようにしといてやるかの。」


ヴォルフが石壁に手を触れると、掌くらいの大きさの紋様が壁に刻まれた。


「さて、まずはお主の怪我じゃな……。」


ヴォルフがグレンに向き合うと、


「悪いが、そんなに待てないな。」


低い声が聞こえた。


「!?」


三人が声のした方に目を向けると、瞬時に石壁に無数の筋が走る。


「なんと……!?」


ヴォルフですら目を見開き驚く。


バラバラと崩れた石壁の中からエドワードが姿を現した。


「そんなっ!」

「くそっ……マジかよ。」


プリシアとグレンは身構えながら呟いた。


「見事な連携だった。正直ヒヤッとしたよ。」


口許の血を拭いながらエドワードが言った。


「グレン、プリシア、まだやれるか?」


ヴォルフが静かに二人に聞く。


「やるしかねー状況だろ。」


グレンの言葉にプリシアが頷く。三人はエドワードから視線ー外さず次の動きに備える。しかしエドワードは後方に跳び三人と距離をとった。


(なんだ?接近戦じゃないのか?)


グレンがエドワードの行動に面食らう。


「まさか……いや、間違いない。」

「おい、爺さん!どうした?」

「ヴォルフ様?」


エドワードを凝視しているヴォルフの額に汗が流れる。


「間違いない。奴の剣、あれは魔装具じゃ!」














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