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姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
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姫様、苦戦する

二組に別れたアナスタシア達を交互に見ると、エドワードはグレンとプリシアに襲いかかった。


「はいっ!どうぞ!」

「サンキュー!」


(ぬっ!魔術で底上げしたか。)


先程より身のこなしが早いグレンに斬撃を防がれる。


(と、言うことは……。)


同じくヴォルフの魔術で援護を受けたアナスタシアが背後から斬りかかる。


(ふぅ、前回より格段に腕が立つ護衛だ。)


背後を切り払うとそのままアナスタシアにターゲットを変更するエドワード。


(この中で一番落としやすいのはこの娘。だが……。)


アナスタシアが必死でエドワードの斬突を捌いていると、


「でやぁ!」


すかさずグレンが気合いを込めてエドワードに回し蹴りを浴びせる。紙一重でかわしたエドワードが僅かに間合いをとる。


「!?」


四方から風の刃(ウィンドエッジ)がエドワードを襲う。


「流石に風は斬れまいて。」


ヴォルフの放った風の刃(ウィンドエッジ)を高く跳び回避したエドワードを


"飛鷹爪"


グレンの拳が襲う。


(かわせん!)

(かわせねーよな!)


ガキーンッ!


細剣と籠手がぶつかる音が響く。


「!?」

「おりゃ!!」


"扇風脚"


がら空きの脇腹にグレンの蹴りが入り地上に落下するエドワード。なんとか受け身をとり立ち上がろうとするが、間髪入れずに火の玉が降り注ぐ。


「ぐぬぅ!!」


エドワードの姿が土煙に消える。


「はぁはぁはぁ……。」


着地したグレンが息を整え即座に構える。アナスタシアも剣を構えながら様子を伺う。微かに人影が見えた瞬間、アナスタシアに向けて何かが飛んだ。


「!?」


アナスタシアがかろうじて叩き落とす。


(投擲!?剣を投げたか!)


グレンの注意がそれる。その刹那、


(しまっ……!)


目の前にエドワードが迫る。


「油断したな。」


"四刺衝(キャトルショック)"


「ぐあぁぁぁ!!」


グレンの四肢が一瞬にして貫かれた。そのまま前に倒れるグレン。


「グレンさんっ!」


急いで駆け寄ろうとするプリシアに血のついた細剣を向けるエドワード。プリシアはそれ以上近寄れなくなる。


「ぐ、ぐぅぅ!」


歯を食い縛り立ち上がろうとするグレンにエドワードが言う。


「ほう、たいしたものだ。戦意喪失せんとは。」

「ぐっ……あったりめーだろうが。」

「ふんっ。」


エドワードがグレンに剣を向ける。


「さて、アルマデルを渡してもらおうか。」






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