表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
151/281

姫様、捕まえる

「ん……んん……。」


捕らえた女怪盗が小さく唸り目を開ける。


「よう。目が覚めたか?」


グレンが椅子に反対向きに座り、同じく椅子に後ろ手に拘束されている女怪盗と目を合わせる。


「くっ……!」


女怪盗は身体を揺するがガタガタと騒がしいだけだ。


「しっ!静かにしてやってくれ。まだ寝てる奴らがいるんでな。」


グレンが唇に人差し指を当てながら言う。なるほど、後ろのベッドには誰かが寝ているのが見える。


「ふむ。気がついたようじゃな。さて、いくつか聴きたい事があるんじゃが。」

「お前が世間を騒がしてる怪盗団の一員なのはわかってる。」

「ふんっ!さてね。」

「ポケットにこれがあったからの。」


ヴォルフが黒猫の描かれたカードをみせる。


「ぐっ!ならさっさと官憲にでも渡せばいいだろ。それとも殺すのか?」


睨みながら言う怪盗にグレンとヴォルフが顔を見合わす。


「別に殺しゃしねーよ。ただ盗んだ物を返して欲しいだけだ。」

「ふむ。盗品のありかと仲間の居場所を教えてくれんか?」


二人の言葉を鼻で嗤う怪盗。


「はっ!誰がそんなこと喋るかよ。バッカじゃねーの!」


ヴォルフはやれやれと肩を竦める。


「ときに、リタとは誰じゃ?」

「!?」


怪盗の表情が変わった。


「な、なんでそれを!」

「お前さん、気を失っている時に何度も呼んでおったよ。シスター・リタとな。」


怪盗は顔を赤くし暴れる。


「ふざけんなっ!お前らには関係ないだろっ!さっさと官憲にでもつきだせよ!私はなにもしゃべらないからなっ!」


わめき散らす怪盗。するとベッドで寝ていたアナスタシ達が目を覚ました。


「ん……なんの騒ぎ?」


目を擦りながら言うアナスタシア。グレンとヴォルフがこれまでの経緯を説明する。


「なるほどね……。」


アナスタシアは今にも噛みつかんばかりの怪盗を見る。


「どうしても喋る気はない?」

「ふんっ!当たりまえだ。拷問されたって言うもんか。」

「そんな……拷問なんて……。」


プリシアが首を振る。


「どうしたもんかな。官憲に引き渡してもいいけどダンマリじゃ結局成果はなしだし。やっぱりそのシスター・リタって人が鍵か。」


アナスタシアが言うとまたしても怪盗が暴れだす。


「こら!暴れるなって!」

「お、落ち着いて下さ~い!」

「やれやれ……。」


ヴォルフが杖で暴れる怪盗の頭をチョンッと触ると、瞬く間に眠りに落ちた。


「さてはて、如何いたしましょう?」

「やっぱりそのシスター・リタって人を探してみよう。」

「弱みを握って取引ってことか?」

「うーん。まあそんな感じかな。あんまりやりたくはないけどね。」

「では、さっそく見張りと人探しに別れて動きますかな。」


怪盗の見張りにプリシアとヴォルフ、シスター・リタの捜索にアナスタシアとグレンに別れ行動を開始した。






御一読頂き誠にありがとうございました。

良かったらブックマークやコメントよろしくお願いいたします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ