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姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
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Interlude

「うらぁ!」


気合いと共にグレンが起き上がりアミークラの背後をとる。


「なっ!?」


思いがけない事態に一瞬アミークラが固まった。その隙にグレンが背後から片手でアミークラの手首を掴み、もう片方の腕で首を締め上げる。


「なっ……なぜ……!?」


苦しげに問うアミークラ。それを無視してグレンが首を締め上げる。


「がはっ!」


なんとか呼吸をしようと足掻くアミークラ。グレンを始末するために背後に魔方陣を出現させる。


「爺さんっ!今だっ!」


グレンの声に応えるように杖を拾い構えるヴォルフ。アミークラと同じ様に魔方陣を空中に出現させる。


「かっぁぁぁ!!」


アミークラ目掛けて魔力が光の波となり放たれる。


「ぐっ……離しっ……!」


波に呑まれる刹那、グレンがアミークラから離れて横に跳ぶ。


「きゃぁぁぁぁ!!」


アミークラに直撃した魔力波は、アミークラごとその後方の壁をぶち破り、外へ出ると上に反れて夜の闇に消えていった。すると、屋敷を覆っていた不気味な光も、床の魔方陣も消えた。


「はぁはぁはぁ…………。」


静寂の中でグレンの息づかいが響く。


「やれやれ……疲れたわい。」


ヴォルフもその場に尻餅をつき座りこむ。


「助かったぞ、グレン。」

「はっ……まあこれくらいはやらないと格好つかねーからな。」


二人はフラフラと立ち上がるとアナスタシア達の元に歩く。


「うむ。こちらの二人は大丈夫じゃの。」


アナスタシアとプリシアの無事を確認すると、同じく気を失っているガトーの背に手を置くヴォルフ。


「この者は、先程の魔方陣の影響で衰弱しとる。」

「そうか、悪いがそいつも治してやってくれないか。」

「………うむ。そうじゃな。」


ヴォルフの手が光り、しばらくするとガトーの表情が穏やかになった。


「もう少しすれば目を覚ますじゃろう。」

「そうか。とりあえずこれで一件落着なのか?」

「うーむ。どうじゃろうな。まだロイド氏に説明もせねばならんしな。じゃが、もう血を流す必要は無さそうじゃな。」

「そいかい。なら俺達もお役御免だな。」

「そうじゃな。」


するとグレンが懐を探る。


「これ、助かったぜ。」


グレンの手にはいつぞやアナスタシア達に渡した水晶の御守りだった。アミークラの魔術を防いだ水晶には大きく亀裂が入っていた。


「ほう……どうやら役に立ったようじゃの。」

「ああ、命拾いしたぜ。」


二人が拳を合わせる。


「なるほど……そんな物を持ってたのね。」


アミークラの声が響いた。











御一読頂き誠にありがとうございます。

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