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姫勇者アナスタシア冒険譚  作者: 森林木
123/281

姫様、待つ

アミークラが一歩踏み出すとアナスタシア達は身構えた。


「ふふふ、そんなに怯えないで。」


楽しそうに嗤うアミークラ。


「ちっ!どうするよ?」


グレンがアナスタシアに言う。


「闘うしかない。むざむざ殺されるわけにはいかない。」

「こちらは3人中2人が手負いだぜ?」

「なら諦める?」

「冗談。死んでもご免だぜ。」


アミークラが前方に手を翳すと空中に魔方陣が浮かぶ。


「ふふふ。えいっ!」


魔方陣から魔力が光線となり放たれた。


「!?」


四人は左右に飛び退いた。後方の壁が黒く焦げる。


「狭い場所は不利だ!下に行くぞっ!」


アナスタシアの言葉で四人は比較的広い玄関へと走る。一階まで下りる。


「あら?鬼ごっこかしら?」


アミークラがゆったりと歩きながら追う。


「ダメです!鍵はかかってないのに開きません!」


プリシアが玄関扉を押しながら言う。


「ハァッ!」


グレンが扉を蹴るがびくともしない。


「ヤツの仕業だろう。」


ガトーが呟く。


「せいか~い。」


アミークラが階段の踊り場から四人を見下ろす。


「この屋敷は私の遊び場なの。時間をかけて少しずつ結界を張ったんだから。いつかこういう事もあろうかとってね。」


アナスタシアがアミークラを睨みながら問う。


「そんなにこの国を牛耳りたいか?」


アミークラはわざとらしく考え込み答える。


「そうね。だって面白そうなんですもの。」

「面白いだと?」

「えぇ、私の言葉でこの国が右往左往するのよ。それって滑稽でとても面白いわ。」

「ロイド氏を隠れ蓑にしてか?」

「そうそう。大丈夫よ、飽きたらそのあとは彼に任せるから。」


アナスタシアがグッと剣を握り込むと、隣で空気が動いた。


「この国は貴様の玩具ではないっ!」


ガトーがアミークラに向かって走る。アミークラがガトーに向かって魔力弾を放つが、ガトーはひらりとかわしアミークラに殴り掛かる。


「なにっ!」


繰り出されたガトーの拳はアミークラの前に出現した光の壁に止められる。


「野蛮な人ね。」


アミークラが手を払うとガトーは後方に吹き飛ばされた。間髪入れずにアナスタシアとグレンも攻撃をしかける。


「なっ!」

「ちっ!」


しかし、同様にアナスタシアの斬撃もグレンの蹴りも止められてしまう。


「きゃぁ!」

「ぐあっ!」


二人もガトーと同じように吹き飛ばされた。  


「くそっ!あれも魔術かよ。」


グレンが立ち上がり毒づく。


「魔力障壁……!本で読みました。」


プリシアが呟く。


「魔力障壁!?」

「はい、その名の通りアミークラさんが作り出した魔力の壁、身を守る盾です。」

「厄介だな。どうすれば……。」

「突破するには障壁を作っている魔力以上の力で破壊するしか……。」

「あれ以上の力って。」

「ヴォルフ様ならあるいは……。」

「ジイ……どうしちゃったんだ。」

「この騒ぎで起きてこないなんてありえるのか?」


アナスタシア達の会話が聞こえたのかアミークラが嗤いながら言う。


「残念だけど、貴方達の頼みの綱のお爺さんは来ないわよ。」







御一読頂きありがとうございました。

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