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1話 入学試験

楽しんでいただけたら嬉しいです。




静寂の中、自分の心臓の鼓動の音しか聞こえてこない。


そんな静寂を破ったのは、先ほど壇上に登った男の声だった。


「君たち、入学試験前試験・・・・・・合格おめでとう。

君たちなら今後の社会を任せることができるだろう。

安心したまえ、君たちの将来は約束されたも同然だ。

なんせここの学園の受験するための権利を得たんだから。」


男は高らかに宣言している。

しかし、その言葉の内容の不自然さに気づいているものは1割にも満たさなかった。


そう、この場にいる約1万3,000人の中の1割にも……。


気付けた者は、前回経験した者か、純粋に疑問を覚えた者達だ。


そして、男の声が次第に柔らかなものから低く、脅すようなものへと変化していく。


「だから、社会を本当に任せることができるのか、その成功を約束される権利を得るための実力を持っているかを確認させてもらう。

その門は300名しか受け入れない。

貴様らにその資格はあるか?

それでは、クソガキども、ルールはいたってシンプルだ。

勝ち残れ。ただそれだけのルールだ。

自分の能力、技術全てを使い、この中で最後まで立ち続けて見せろ。

それでは入学試験開始!」


その言葉を聞いても行動できなかった者は全体の9割以上、できた者は不自然さに気づいていた1割以下の者だった。


その中のアクア・ドラグーンとセシリア・アルファ、サーシュ・シアは、話を聞いて即座に行動した。


アクアは、存在認識消去魔法を使い同じ魔法がかかっているものしか認識できなくなる魔法をつかった。

セシリアは透過魔法を使い他の者が来ても通り抜ける魔法。

サーシュは三人の半径1メートルの魔法を上級まで即座に無効化する領域魔法無効化の魔法をつかう。

三人のコンビネーションによりこの場は何もせず、やり過ごそうとしたのだ。

認識できず、物理攻撃も効かないし、魔法や精霊魔法による上級魔法まで効かない。

アクア達に気づける者すらいなかった。

魔法が突然無効化されるという違和感には気付けた者はいるがそれまでだった。

なんせ、違和感に気付いても触れることすらできないのだから。


-----------


「キャー」


最初の女子生徒の悲鳴が聞こえたことにより、それぞれの持つ魔法が繰り出され、より試験は過熱していった。


「下級火属性魔法ファイアー」


下級精霊魔法エレメンタルマジックシャイニングスピア」


ところどころに精霊も見え隠れしている。


壇上の映像には、最初、13472と書かれていた映像が、数分経った今では9574となっている。

おそらく、今立っている生徒の数だろう。

そして、それらの現状を見ている教師達は楽しそうに話をしている。


そしてさらに時間が経ち、立っている生徒が七人となった。

だが、映像には10人と書かれている。


「おや?、人数が映像と会っていないようだけど。」


もっともな疑問を口にしたのは、ここ、精霊魔法学院の教師の1人である、サクリファイス・ラスカーだ。

彼は、学院において最高レベルの実力者で、接近戦を得意としている。


「そうですね。機械の故障でしょうか?」


ラスカーの疑問に答えたのは、隣に立っている1人の女性だった。


「君の魔法でも感知できないのかい?」


機械の故障と答えられたにも関わらず無視をしたのはありえないからだ。

故障しているならこの学院に携わっている専門の者が一時間と掛からず治すことができるし、一週間に一度メンテナンスをしているおかげでこの30年の間、そのようなことが起きたことがない。

そのため、故障ではないと断定したのだ。


「はい。立っている生徒は7人しか感知できません。」


「へぇー、そりゃすごいな。

あの広域感知、感知精度向上の能力を持っていても感知できないとは。

サーシャ先生の弱点になり得る人材かもな。」


「私は、神ではないのですから弱点ぐらいありますよ。

魔精霊魔法や神霊魔法にその類の魔法なんていっぱいあります。」


この女性はメル・サーシャ。

腰まで伸びている黒髪が印象的な女性で、感知系の魔法に長けている。

広域感知と感知精度向上の能力のおかげで感知することのできる距離の拡大、感知精度の高さ。

まさに感知のエキスパートだった。


「まぁ、そうか。3人は置いといて、他の7人はそれぞれの属性の家の者だな。」


「珍しいこともあるものですね。

同時に7人とは。あの七家のご子息がね。」


この世界には代表される属性は7つある。

火、水、風、土、雷、光、闇の属性だ。

他にも属性はあるが、今回は省かせてもらう。

七家とはそれぞれの属性の名を持つ家のことで強すぎるが故に、政治にも口出しをすることができる。

それぞれ、フレア、アクア、ウィンド、サンド、ライトニング、ライト、ダークの7つの名だ。

フレアの長男であるフレア・ベルは16歳だが、それでも成人の精霊魔法使いと同じくらいの実力があり、なおかつ技術もある。

それぐらい、七家の者は異常なまでに強い。

それに精霊も加わると、いうまでもないだろう。


その七家の子供がそれぞれの家の子供に睨みを利かせているのだ。

一触即発状態である。


「ここは、残りの3人を倒さないか?」そう提案したのはサンドの名を持つサンド・ナイトだった。


「そうね。私としてはここで序列を決めるわけにもいかないし。今後行われる学院内大会でしたいしね。」ナイトの言葉に同意を示したのはダークの名を持つダーク・ミネルヴァだ。彼女は3人姉妹の中の真ん中で、妹と受験したがもうすでに倒れているだろうと思っている。


それにうなづいていく他の5人。


それを見てアクア達3人は静かに気づかれずに倒れる。


アクア達は実力はある。

が、めんどくさいという気持ちの方が勝ってしまった。


それと同時に教師達から驚きの声が上がる。

何も起こっていないのに映像の人数が減ったためだ。


それを見てか七家は馬鹿にしたような笑い声を出している。


そして7人が同時に自分から倒れこむことにより勝敗は決した。


そして入学試験は終わった。

感想、評価、ブックマークお待ちしてます。

この作品は異世界転移した無能(さいきょう)は早速世界に挑むそうですの記念記念に更新するつもりです。更新遅くなりますが何卒よろしくお願いいたします。

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