連翹
あなたが私を選んだのは
私に思いを託したからなのでしょう?
顔も知らない
海の向こうの誰かとの
初めてのやりとりだから
あなたはそこに
決意をのせようとしたのでしょう?
不器用で 臆病で
そんなあなただから
数ある中から
“私”を選び取ったのでしょう?
伝わらなくてもいい
わからなくてもいい
それでも
私をとおして願ったもの
あなたの決意のカタチ
私には
それがわかるから
だから
私にも 願わせてほしい
あなたと誰かのやりとりが
どうか どうか
互いにとって楽しい語らいとなりますように
レンギョウ(英名:forsythia、golden-bells)
モクセイ科レンギョウ属の花。別名、レンギョウウツギ(連翹空木)。三月から四月にかけて、黄色の花を咲かせる。原産地は、中国。花言葉は、楽しい語らい、希望、遠い記憶。
以上、第三十四回「連翹」の解説でした! 今回は、最近あったとあることをきっかけとして、レンギョウの花言葉「楽しい語らい」に重点を置いて、書いてみました。
前回の「時計草」もそうでしたが、実はレンギョウでつくった詩は二パターンありました。一つは今回掲載したものです。もう一つは、この作品における「あなた」が「私」目線のものです。そして、これも前回と同じなのですが、実はこの掲載をしなかったものから先につくっていました。こっちも気に入っているので、“もうひとつの花詩集”みたいな感じで載せようかな……なんて、思ったりしています。書いた以上、棄ててしまうことがしのびなく思えていまして……。
さて。
それでは、また次回お目にかかれますように。
葵枝燕でした。
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参考資料
・浜田豊著『花の名前 —由来でわかる 花屋さんの花・身近な花522種—』、婦人生活社、[二〇〇〇年]
・二宮孝嗣著『美しい花言葉・花図鑑 彩りと物語を楽しむ』、ナツメ社、二〇一五年




