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花詩集  作者: 葵枝燕
13/37

鳥兜

近付かないで

触れないで

かかわらないで


(ひと)りでだって生きていける


誰かが(そば)にいることは

安心を生んで

幸福を(はぐく)


それでも

永遠に続くものではないから

いつかはきっと消えてしまうから


それを知るならいっそ

独りきりで


触れるもの全て

儚い世界の紛い物


続かないものの永久を

願い続けるのは無意味だ


何ものにも限りがあるということ

変わってしまうものがあること

それでも 永遠に続くと思い 求めてしまうもの


変わってしまうのがこわいから

失ってしまうのがこわいから

それなら こちらから

距離を取ってしまえばいい


(いと)うてしまえば

誰に触れなくてもすむから


触れなければ

出遭う孤独に気付かなくてすむから


あたたかさを求める指先に

誰かが合うことのないように


誰にも触れず

誰ともかかわらず

他者のやりとりを遠くに望む


これでいい

これがいい


(ひと)りでだって生きていける


はじめから 独りきりならきっと

出遭わなくていいはずだから

トリカブト(英名:aconite monkshood)

キンポウゲ科アコニタム属の花。別名、アコニツム。九月から十月にかけて、白色や青紫色などの花を咲かせる。原産地は、モンゴル南部や中国。花言葉は、騎士道、人嫌い。


 以上、第十三回「鳥兜」の解説でした。一応、花言葉の「人嫌い」から書いてみました。が、あまりそんな感じはしないですかね。人を求めつつも、失くすことの恐怖に怯えて、それなら他者と交わらないと思う――そんなイメージでしょうか。

 今回の花、トリカブトは有毒植物です。強烈なアルカロイドを含みます。でも、花自体は綺麗な花だと、私は思います。写真でしか見たことないのですが。

 トリカブトは有毒植物なので、不吉な数字と言われる十三――つまり、十三回目に相応しい花なのではないかと思いました。

 『花詩集』の今までで一番、どう書けばいいかと悩んだ詩です。

 今作も引き続き頑張りますので、今後とも読んでいただければと思います。

 読んでいただきありがとうございました。

――――――――――

参考資料

・浜田豊著『花の名前 —由来でわかる 花屋さんの花・身近な花522種—』、婦人生活社、[二〇〇〇年]

・金田初代文、金田洋一郎写真『持ち歩き! 花の事典970種 知りたい花の名前がわかる』、西東社、[二〇一五年]

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