表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

~4.5~ とある人魚の姫と王子様

この話は・・・ セシリアとユリウスが小さい頃に出会った頃の話です


「このお話は、あまりに結末が酷過ぎるわ!」

「コレ、実際にあったお話なの。異形のものとは相いれないっていうメッセージを込めている。

人間なんて・・・ 思いが移ろいや過ぎる生き物よ」



人魚の国の王宮で、二人の姉妹姫が本について語っている頃・・・



「・・・つまらぬわ。誕生日パーティーなど簡単に準備すればいいものを」

「しかし、ユリウス王子様。一人息子である貴方様の八歳の誕生日パーティーですぞ、盛大に祝いたいではないですか」

「だからといって、船上パーティーにしなくてもよいだろう・・・」




王子は溜め息をつきながら、夜景を見ていたとか・・・



~数日後~

「何やら今夜は、海上が騒がしいわ」

「今夜はユリウス?っていう人間の王子様の誕生日パーティーをしているらしいわ。イヤねぇ・・・」

忌々しそうに姉姫たちが話しているのを聞いて、セシリア姫はそのパーティーを見てみたいとこっそり

見ていくことにしました




ワイワイガヤガヤ・・・ 水上から船を覗くと、賑やかにパーティーが盛り上がっているのが分かります

いいな・・・とセシリアが羨み、海上から眺めていると

なんだか周りの天気が悪くなっていきました



・・・ゴロゴロ 雷鳴が顔を出し、凄まじい荒波が船を襲います



そして・・・ 

「雷が船根に直撃したぞーっ!!どうにか、うわああっ!!!」

船に火が付き、荒波とともに襲っていきました


その様子をただ呆然と眺める術しかないセシリア




船が沈没して、死者で海上はいっぱいに―・・・


「がっ、ゴホッ・・・。誰、か・・・」

一人、たった一人生き延びた者がいました


ユリウス王子様です


咄嗟にユリウス王子様の手を、セシリア姫は

ガシッ!! 掴み握りしめ、そして・・・





王子様、あなたは生きて欲しい・・・

「・・・王子!」

「・・・リス王子!!」


・・・誰だ? 私を呼ぶ者は??

声に反応し、ゆっくりと目を開けると・・・


「・・・なんだ?」

「!!おーいっ!!!皆ぁ、起きたぞ~!!!!」

『良かった~!!』



ドドドッ!!! 周囲に人が集まり出します



「ど、どいうことだっ!!?」

「貴方様は、船の沈没から丸三日意識を失っていたんです!」

「三・・・、日??」




私だけ・・・なのか??



「生き残った、いや私以外の者はいないの・・・「残念ながら・・・」・・・」



それを聞いた王子様はとても悲しみました 絶望しました



自分以外の大切な人たちが、いなくなったという事実に・・・

死にたくなり、ふらりと海に向かおうとすると

『!!?どこに行こうっていんだあ!?!?』


「私は・・・もう生きる意味が・・・ん?」

どこからか歌声が聞こえます


どこか聞いたことのある声です

ユリウス王子はこの声の主はきっと誰かが知っている人だと思い、周りの人たちにこう聞きました



「この声の主の女を知っている奴はいないのか?」

「ここらは漁師が集う地、女は一人もいません。どうしたので・・・?」



聞くとあの声は、ユリウス王子が気を失っていた時に聞こえたものです



ですが、姿は見えません ユリウス王子はその声に少しだけ励まされました



ユリウス王子は自分がいなくなれば、国民がみな死ぬことを思い出し

自殺をやめ、助けてくれた土地の方々に礼を言うと自国へ帰っていきました


船上パーティーに参加していなかった人々に王子は支えられながら、国を守ってきます



・・・これは、人魚姫の始まりの前の始まりのお話

運命に導かれて、再びユリウス王子様とセシリア姫様が出会うのはあと―・・・


次回は赤ずきんです、お楽しみに・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ