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ニューロティック・ガール
私は人混みが嫌いだ。
街に溢れかえる人々の中に混じって尚、私は孤独というものから離れることはできない。
人は皆一人だ。
どんなにグループを作っても、社会組織に混じっても、本質的にはそれは個の集まりであって、中身は皆バラバラだ。
どんな雑踏の中に居てもそう、結局私は一人なのだ。
いつからだろうか、人は必ず死ぬなんて事を意識するようになってから、私は何も好きになれなくなった。
人に限らず、物事すべてに通ずるその真理は、永遠なんてものは存在しないと私に訴えかけてくる。
何一つ、永遠に自分の手元に置いておく事は叶わない。
どんなに大切にしている物も。
仲の良い友人も。
大切な家族も。
結局手放さなくてはならない。
何より恐ろしいのはそれらを失う瞬間だろう。
『そこまで』は存在しても『そこから』は存在しないのだ。
そんな瞬間、私はそれこそ『永遠に』知りたくない。
そして私は幸福なことに、その方法を知っているのだ。