8、コロッケパン2
お気に入り登録ありがとうございます。やる気がでて、2話連続投稿です。小説紹介ページのあらすじが、全然あらすじになってなくて、どうしようかと悩むこの頃。
青空の下、屋上では順番に生徒達が竜と契約していた。あるものはクライスの父のように火竜と、あるものはライのように水竜と。クライスは列の1番後ろで、その様子を眺めていた。クライスの隣では、順番待ちのリヒャルトがライに話かけている。
「ねぇねぇ、ライ。なんでアクアのお母さんは、ライにアクアを預けにきたの?」
アクアは召喚されたばかりの水竜と話しており、そんなアクアを目で追いながらライは言う。
「ん〜、それはな。俺んち銭湯だろ。うちが銭湯やってるのって水竜に好かれる家系だからってのもあるんだ。水竜は水を操れるからな。アクアの母親が子供の頃、うちに預けられててさ。それで信用できるからって赤ん坊のアクアを預けにきた訳。家の中は水竜ばっかりだし、教育には、うってつけなんだよなー。」
リヒャルトは、ライに言う。
「そうなんだ〜。でもさ、なんでライなの?ライの家って、お姉さんもいるじゃん。」
ライが笑ってリヒャルトに言う。どことなく声が嬉しそうだ。
「ははは。それがさ、聞いてくれよ。なぜか1番俺にアクアが懐いてさ。だから俺が契約したんだよな。」
リヒャルトは、なるほどね〜と何度か頷くと、シュバルツ教諭に呼ばれて慌てて魔方陣に向かいながらライに言った。
「話の途中で、ごめんっ!次、僕の番だからいってくる。」
それを片手を上げてライは見送る。リヒャルトが魔方陣に行ってしまうと、ライはクライスに話かけた。
「なぁなぁ、クライス。リヒャルトは何属性だと思う?」
クライスはリヒャルトが乗った魔方陣が青く光るのを見て、迷いなく言った。
「リヒャルトは風だと思うな。」
それを聞いたライは訝しげな表情をし片眉を器用にあげた。クライスは、そんなライの様子を見て小さく笑うと、リヒャルトの方を指差して言う。リヒャルトの横に緑色の髪の男の子が現れた。リヒャルトの膝ぐらいの位置に頭がある小さな子供だ。
「自由奔放な性格のリヒャルトには、自由奔放な風属性。ライは取り乱すと煩いけど普段は冷静だろ?だから、冷静な水属性なんだ。」
言われたライは、はっとしてクライスを見た。
「おいおい、そんな話初めて聞くぜ?でも確かに、言われてみればそうだよな。他の奴らのも、合ってる。そんな話、誰に聞いたんだ??」
クライスは服の上から首に掛けたロケットを触ると曖昧に笑った。
「さぁ、誰だったかな。父さんだったかも…?」
そこへリヒャルトの声が飛び込んでくる。
「クライス〜!!次、クライスの番だよ〜〜!!!」
リヒャルトの方へ顔を向けると、小さな男の子を腕に抱いて走ってくる所だった。それに、今行くと答えるとクライスは魔方陣へと向かった。