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竜の旋律  作者: シキ
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4、しょうが焼き3

話が進まないです。もっと上手にかけるようになりたいです。

昼食が終わって直ぐの授業は眠いものだ。クライスは欠伸を噛み殺し、一番後ろの席から教室の中を見回した。教室は40名程が授業を受けており、1人に1つ木製の机と椅子が与えられていた。教室の前には黒板があり、現在、神経質そうな教師が授業を行っている。教室の後ろには、生徒達の持ち物を保管している棚が並んでいた。だいたいの生徒は1人で授業を受けているが、ライを含めた数名の生徒は契約している竜と共に席に着いている。ぼーっと教室内を見回していたクライスは、突然教師に名指しで指名され慌てて姿勢を正した。




「では、クライス君。余裕がありそうなので質問に答えて下さい。」



クライスは、クラスメイトに注目され内心ドキドキしながらも静かに立ち上がる。その様子を満足そうに見た教師は、質問を投げ掛けた。




「それでは、問題です。竜と契約するための条件は?」



クライスは自分が分かる問題で、ほっとした。



「竜と契約するためには、一定の魔力と竜との相性が必要です。」



教師は1つ頷くと、座るようにクライスに促し生徒全体を見渡しながら補足の説明をした。



「そうですね。竜との契約に必要なもの。1つは魔力です。なぜ魔力が必要か。それは、人が持つ魔力の流れを竜族が真似して、力のコントロールを覚えていくからです。余りにも魔力が小さいと魔力の流れも微々たる物であるため、竜族にとって魔力の流れを読み取る事が困難で中々真似できません。ですから、一定の魔力がなければ契約できないのです。それではリヒャルト、2つ目の相性について説明できますか?」




意外にも真面目に授業を受けていたリヒャルトは、はいっと返事をして席を立つと元気よく答えた。




「竜と人との相性とは属性との相性とも言えます。竜には闇、光、火、水、土、風の6つの属性があり、人によって相性のよい属性の竜と契約が結べます。」




「リヒャルト、正解です。しかし、わたくしが補足しましょう。リヒャルトは、座ってよろしい。」




リヒャルトが席に着くのを見届けると教師は説明を始めた。




「リヒャルトの言うとおり、竜には属性があります。人がどの属性と相性がいいのかは我々も分かりません。研究者の中には、魔力に属性があるのではと言う者もいますが明らかにされていません。ただ自分に合った属性の竜と契約できたとしても大抵の人は1体の竜族としか契約しません。それはなぜかというと竜の力を借りるためには精神力が必要だからです。竜術とは自分のイメージ通りに、竜に力を使ってもらうことなのですが……んー、自分のイメージを具現化する様な感覚と思ってもらえばいいでしょうか。具現化するには、より明確にイメージする必要があるので強い精神力がいるのです。複数の竜相手になると精神力も倍になり人間に負担がかかります。もし明確にイメージできず竜の力が暴走してしまった場合、大変なことになりますね。ですから、1体との契約が普通なのです。」




そして教師は続ける。



「来月は竜と契約する授業があります。今説明した理由で、授業の対象者は、まだ竜属と契約していない生徒になります。それでは今日の授業は、ここまでです。」



そして、教師は教室を後にした。教室が騒がしくなり、クライスの側にはリヒャルトがやってくる。




「クライス〜!来月楽しみだねっ!早く契約したいなぁ〜!!契約ってどうやるんだろ〜?」



クライスはノートに何か書き込みながら興味なさげに言った。



「さぁね〜?ライは契約してるしライに聞いてみたら??」



そんなクライスの様子にリヒャルトは、鼻息荒く言う。


「ほんっとに、クライスは竜に興味ないよねっ!!ちょっと僕は異常だと思うねっ!………って何書いてるの??」



好奇心旺盛なリヒャルトは、クライスがノートに描いた絵を興味深そうに覗きこんだ。クライスは、ペンで絵の細部を指してリヒャルトに言う。




「これはね、料理用のコンロなんだ。今、うちの店で使ってるのはブレゼの竜術で火力調節してるんだけど、最近ブレゼも調理で忙しいから火力調節が上手くいかない時もあるんだよ。だから、どうにかならないかと思ってコンロ開発中なんだ。」



「へぇ〜…火力ってそんなに大切なの?」



「火力は大切だぞ?しょうが焼き作るのに強火のままだと焦げるしな。そろそろ帰ろうか」



ノートを閉じたクライスはカバンを持ちリヒャルトと共に家路についた。


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