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キャバの黒服は勇者向きではないので 異世界で人を動かし無双してみた  作者: CHORO_


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6/6

第6話 黒服、気になる。

※剣も魔法も使えない主人公が、人身掌握と交渉術で進む異世界ファンタジーです。

 ザナスとの一悶着があった翌日、

 俺は市場を見て回っていた。


 酒場とは違い、ここには生活に直結した声が集まる。


「最近、いい魚が入ってこない」

「モンスターが増えた」

「〇〇ギルドの冒険者、質が落ちたんじゃないか?」


 歩いて、聞いて、また歩く。


 すると、いくつかの店で

 同じ話題が繰り返されていることに気づいた。


 北部街道――

 山脈を越えて港町へ向かう交易路における荷運びの護衛。


 ランクは低い。

 報酬も安い。


 それでも、

 生活のかかった低ランク冒険者にとっては

 本来なら悪くない仕事のはずだ。


 それが、どこのギルドでも手付かずで残っている。


 ――需要と供給が、噛み合っていない。


 いや、それだけじゃない。

 噛み合わない理由を、誰もはっきり説明できていない。


 気になった俺は、

 いくつかのギルドの詰所を回った。


 やはり、同じ依頼。

 そして、どこも掲示板の依頼は放置されている。


「……あれ?」


 背後から声をかけられ、振り返る。


 赤髪、赤鎧、大剣。

 アリアさんだ。


「クロ、こんなとこで何してるの?」


「少し、気になる依頼があって」


 俺は、市場で聞いた話と、

 掲示板の状況をかいつまんで説明した。


 そして、ふと思い出す。


「そういえば、ギズモバード討伐のときの追加依頼なんですが……」


「ああ、あれね。まあ、よくある話だよ」


 アリアさんは、あっさり言った。


 低ランクの依頼には調査コストをかけられないこと。

 依頼者も専門家ではないこと。

 だから、現地で規模が違うのは珍しくないこと。


「ブレ、ってやつだね」


「……仕方ない、ですか」


「うん。まあね」


『仕方ない』

 その一言で切り捨てられる現場を、俺は何度も見てきた。


 だが、アリアさんを責める気はない。

 彼女は前線の人。

 その論理で世界を見ている。


「ただ……」


 アリアさんが、少し考え込む。


「北部街道の近くだと、アルゴルの森があるな」


「アルゴルの森?」


「最近、討伐依頼が増えてる。

 しかも、似たような内容でね」


 その後、

 実際に森で依頼を受けた冒険者の話も聞けた。


 家畜を襲うモンスターの討伐依頼。

 だが、依頼達成後に、別の集落でも同様の依頼が発生したという。


「経験則だけどさ……

 そうなると、割に合わなくなる」


「追加依頼、ですか」


「そう。そうなってくると、個体じゃなく、群れか巣、だろうな」


 アリアさんは黙って頷く。


「まあ、マスバって集落の件は、

 ザナスが行くらしいから大丈夫だろ」


 ――ザナス。


 酒場で聞いた言葉が、脳裏をよぎる。


【次の依頼、相当危ないらしいぜ】


 点だった情報が、

 少しずつ線になり始めていた。


 俺は、アリアさんを見た。


 前線に立ち、

 危険を承知で剣を振るう人間。


「アリアさん」


「ん?」


「護衛の依頼、お願いできますか」


 一瞬、きょとんとした顔。


「私が?」


「ええ。

 現場を、ちゃんと見ておきたくて」


 前線の論理を、

 前線に立つ人間と一緒に。


 俺は、「現場」へ行くことにした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

キャバクラ黒服という異色の主人公が、剣も魔法も使わず、人を動かして進む物語です。


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