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プロローグ
佐伯恒一は立ち尽くしていた。三浦直人とは友人だった。残念ながら今となってはその友人関係も過去形で語るほかない。
きっかけは些細なことだった。酔った頭では思い出すことすらできないほど、どうでも良いことだったと思う。しかし、その些細なことが気がつけば言い合いになり、掴み合いになり、直人は頭を打って倒れ伏してしまった。
声をかけても返事をしない直人を見て酔いが醒めた。
「……こんなことで捕まるわけにはいかない」
恒一は独りごちた。人生はこれからなのだ。なんとかして自分が起こしてしまったことを隠す、そう決意した。
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