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02 高嶺の花の不覚

新年一つ目の投稿です。

「あ、あの……!」


玄関で奏は渚に声をかける。

その声は、少し震えていた。


「ん?どうした?寒いのか?」

「いや、そうじゃなくて……」


渚の返答に奏は少し呆れる。

そしてカーディガンの裾を触りながら不安そうに言った。


「本当に、良いんですか?」

「……だから、俺がいいって言ってるんだ。遠慮するな」

「ありがとうございます……!」


彼女のにこやかな表情に渚は少し頬を赤らめる。


「……ん?顔が赤いですよ。この頃寒いですからね。体をしっかり温めるのですよ」


(………おかんかよ)


渚は少し複雑な気持ちになった。





「ほぅ………」


奏は目を輝かせ、渚の方に目を動かす。


「………なんだ?」

「ちゃんと掃除をしているのですね。偉いです」

「……俺をなんだと思ってーー」


言葉を発しようとした時、頭にふわりと温もりが伝わる。

そしてなでられる感覚がした。


「えらいえらい」


渚より一回り小さい体で背伸びをして、優しく微笑みながらの頭をなでる。

しかし足元はぷるぷると震えていた。


「……足元」

「へっ?」


奏は間抜けな声を抜かす。


「震えてるぞ」


奏は自分の足元を見てはっとする。

そして次の瞬間にはなでるのをやめ、頬と耳を赤く染めていた。


そんな奏を見て、渚は可笑しそうに笑う。


「なっ、なぜ笑うのですか……!!」

「ははっ。だって、誰もが羨む高嶺の花に、こんな弱点があったとはな」


笑う渚を見て、奏は不覚そうに頬を膨らます。

一通り楽しい時間を過ごした後、二人の共同生活の話に移る。


「………困ったな」

「………ですね」


渚と奏が口を揃えて言葉を出す。


「「ベッドが………1つしか無い」」


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