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6 星は動く 4

ブクマ、いいね、ありがとうございます!

ようやくフェスに向けて動き出す?


リュウヤが席に戻ってみると……




 途端に嫌な顔をするリュウヤ。


「ちょっとリュウさん、なんでそんな顔してるんですか?」

「お前がそんな顔する時はどうせ碌でもないことを考えてんだよ。はあ、仕方ねえ。一応聞いてやる。……で、なんだ?」

「ええ、リュウさん僕の扱いヒドくないですか? 壱星くんなんとか言ってよー」


 騒ぐ祐介にRiser☆s のメンバーも苦笑している。個性的な祐介の扱いに少し慣れてきたようだ。水を向けられた壱星も笑いながら、


「はは、お二人本当に仲いいですよね。……えー、でも何て説明したらいいのかなー」


 そう言うと頬に赤味が差す壱星に怪訝な顔をしていると、クスクス笑いながら透夜が言った。


「祐介さん、本人に振るなんて人が悪いですよ。リュウヤさん、さっき僕たちと同じステージに立ってもいい、って言ってくれましたよね?」

「おう。お前らと演るのも面白そうだと思ってるのは本当だ」


 その言葉にまた目を潤ませる壱星の膝に優しく手を置きながら透夜が続ける。


「そういうステージを自分たちで作れたら面白いんじゃないかって話してたんです」

「それは、コラボライブを演ろうってことか?」


 シャンパンを傾けながらリュウヤが問うと、篤志がアッシュブロンドの短髪を揺らしながら答えた。大きな藍色の瞳が嬉しそうに輝いている。


「最初はそれ演りたいなって話してたんですけど、どうせならアイドルとロックバンドのコラボライブとか面白いんじゃないかって話になって」

「それならいっそフェスにでもしたら面白いんじゃないかって話してたところです」


 悠人が濃い紫色の前髪をかき上げながら続ける。その仕草には妙に色気があり、ファンが黄色い声を上げるらしいがなるほどとリュウヤも思うことがある。控えめに話す彼の低い声も更に女性受けが高い。


「フェスとはまた大きい話になってんな。確かにロックフェスは多くあるが、アイドルのフェスは事務所がらみのものばかりだからな」


 するとまた祐介が前のめりになり、リュウヤに顔を近づけながら言う。


「でしょでしょ! いやあ、アイドルとロックのコラボフェスなんてこんな面白い企画、なんで今までなかったのかなぁー。絶対盛り上がるでしょう?」

「顔がちけーよ。とりあえず座り直せ。……あのなあ、そんなの誰でも答えわかってんだろ。んな大掛かりなもの簡単にできるわけねーだろ? それぞれ事務所もありゃ、スケジュールだって人気のやつはそれこそ一年どころか二年先までぎっちぎちに詰まってんだぞ。無理だ、無理。俺んとことRiser☆sのコラボライブだけでも開催しようとなるとそれこそ一年や二年先にならあ」


 すると祐介がキラリと眼鏡の奥の釣り上がった瞳を更に細くした。リュウヤは嫌な予感に苛まれる。


「ふむ。……ならば二年。余裕を見て二年半後の開催ならばスケジュール調整可能ってことですよね? ちょうど真夏の開催ならば可能っと」

「おい。お前ちゃんと話聞いてたのか?」

「もちろん聞いてましたよ? つまり、事務所やレコーディング会社が絡まない形での開催を目指せば、しがらみなくメンツ集められる可能性ありますよね?」


 すると壱星が言う。


「そうですね。確かサマソニやロックフェスって、それぞれ実行委員会みたいなところが主催してますよね」

「ああ、一応体裁としてはそうなってるが、あれも協賛にゃレコーディング会社や事務所がガッチリ関わってたりするんだよ。何のしがらみもなく開催するなんざ、それこそ夢のまた夢だな」


 リュウヤがそう正論を述べると、祐介が腕を組み、体を左右に揺らす。


「なるほどなるほど。つまり、そういうしがらみも取っ払わないと開催は難しいってことですね? ……面白いじゃないですか!」

「は?」

「え?」


 その場にいた祐介以外の全員が疑問符を浮かべる中、一人祐介が悦に入ったような笑顔を浮かべる。


「みなさん、僕が誰だか忘れてません? 僕の会社はフリマサイトの経営をしてますがね、その資金は様々な投資をすることで増やしてるんですよ」

「それは知ってます」

「んなこた知ってる」

「それがどうしましたか?」

「え? 何の話?」


 それぞれが思い思いの感想を持っている間に、祐介の話は続いていく。


「つまりですね、僕には僕のコネクションがあって、アイデアさえいいものであれば、それを売りにして資金調達をするなんてことは造作もないことなんです」


 得意気に言う祐介に戸惑いながらも壱星が質問する。


「えっと、それはつまり、祐介さんがコラボフェスを開催する、ということですか?」

「いえいえ、とんでもない! 僕にそんなご大層な役回りは無理ですよ。あ、もちろん協賛って形で入るのは全然やぶさかじゃないですよ? ……んー、そうですね。やはりここはリュウさんと壱星くんに旗印になってもらって、RYU-SAYとRiser☆sが企画・進行をバックアップするというかたちがいいんじゃないですか?」

「僕とリュウさんが旗印……つまり、発起人になるということですか?」


 壱星が困惑気味に聞くと、リュウヤが大きなため息を吐いて言った。

登場人物が多いと話が進まない(笑)

ようやくフェスの話題が出ましたが、どうなるでしょう。


それでは、また二週間後の21時に更新予定です。

次回はケイとセイジが合流します。




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― 新着の感想 ―
なるほどー、こういう流れでリュウヤさんと壱星さんが発起人としてフェス開催へと進んでいくことになったんですね(*'ω'*) 協賛とか事務所とか何のしがらみもなく開催というのはかなりハードル高そうだけど…
[一言] 祐介さん、なかなかやりてですね… でも、音楽会社はなかなか厄介な気がします…。 ましてや著作権管理団体から睨まれそう… ドキドキしてきました。
2024/02/15 01:21 退会済み
管理
[良い点] ∀・)おはなしの躍動感がありますね。「これから何かが起きるぞ」みたいな。それからコラボアクション(というと何か変ですが)が絶妙にとられている作品だなぁと感心しながら読んでいたところもありま…
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