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流星群になろうぜっ!  作者: まりんあくあ


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23/49

22  星は歌う 3

今回はたくさんアーティストお借りしております。

ついにメテオシャワーフェス開幕!



 メテオシャワーフェスが始まった。ロックアーティスト中心に開催される旭川のEARTH HALL、アイドルスター中心に開催される小樽のSUN HALL、そしてインディーズバンド中心に札幌で開催されるMOON HALLでの三会場同時開催という前代未聞の大規模イベント。


 会場内には参加アーティストと関係者以外立ち入り禁止のため、周辺にそれほど混雑は見られないが、会場内の熱気は高かった。特に目を引くのは三会場共に舞台後方に設置された巨大スクリーン。そこに映し出されるのは残り二会場のアーティスト達の演奏シーンとなる。多くのアーティストが参加するこのフェスは会場ごとに配信される。そのフェスの一体感を表現するために、各会場の休憩時間や舞台転換時には他の会場のアーティストの配信が流されることになっていた。


 どの会場にも名だたるアーティストの名が連ねられている。配信チケットの売上も軒並み好調で観客の期待度も高い。だが、参加アーティストに関しては賛否両論あった。先日の華崎の宣言通り、どのHALLにもV-bex所属アーティストが複数参加しているためだ。その中にはなぜこのHALLに参加しているのか理解出来ないと言った不満も多々見受けられる状況となっていた。


 ただ、当の華崎はそのような評判を鼻にもかけていなかった。名前が売れ、収益さえ上がればそれでいい。コロナ禍で落ち込んだ収益を少しでも回収する、そのために起こした大型フェスなのだから。


「アンチでも大歓迎よ。拡散されればそれだけ知名度も上がる。うちの肝入アーティスト達の実力ならばお釣りが来るわ」


 華咲は娘と共に北海道入りしていた。現在は旭川のホテルで待機しており、娘はホテルの部屋で看護師と共にテレビでフェスを観ることになっている。この数ヶ月で活発だった娘の姿はすっかり鳴りをひそめてしまい、夏季休暇中は一歩も外に出ていなかった。新しいクラスにも馴染めるほど通えぬ間に一学期が終わってしまい、前のグループはほとんどのメンバーが娘と同じように学校を変えた。お互いに近況報告すらほとんどしていないようだ。


 ……そろそろ会場に向かわなければならない。華咲は娘に声をかけた。


愛華あいか、ママはそろそろ行くわね。愛華にも届くようにしっかり歌うわね」


 スマホを弄っていた愛華が顔を上げた。


「ママ、行ってらっしゃい」

「夏野に会えたらサイン貰ってきてあげるわよ。LAST BULLETSはトップだから盛り上がるわよ」

「うん、久しぶりのライブ楽しみにしてる。ママも頑張ってね」


 娘の柔らかな笑みに少しほっとしながら華咲は部屋を後にした。


 タクシーで向かう間、華崎は携帯とタブレットを操作し続けていた。各会場にいるアーティストのマネージャーからのメールをチェックし、タイムスケジュールと照らし合わせ確認していく。


 MOON HALLには綺羅めくる、歌う蟲ケラ、HUN:SOCKが出場する。トップが綺羅めくるで、その後には秋本美咲、リドレス・ヘッドバンキングと言ったアーティストが続く。インディーズ中心と言いながら華咲は既にデビューして数年以上のアイドルをトップに持ってきた。アイドルとしての人気は既に下火となっていた綺羅めくるは、新曲でセカンドチャンスを狙う。作詞作曲はその後に登場する歌う蟲ケラのメンバー、ミオタである。ミオタは、「USSSAY(うっせぇ)- YOH()!」というインパクト抜群のシャウトから繰り出すパンチのある曲をめくるに提供した。きっと話題になるだろう。


 歌う蟲ケラはデビューしたての女性ロックバンドだ。彼女たちは「殺しのメロディー」という新曲を中心に歌う。ボーカル平澤唯は音域が広く、伸びやかな歌声でバンドを引っ張っている。彼女達もインパクトが勝負だ。そしてトリに登場するのがHUN:SOCK。異色のラッパーがMOON HALLに旋風を巻き起こすだろう。


 続けて華咲はSUN HALLのアーティストをチェックした。アイドルグループ中心のこちらの会場には、ジストペリド、wing guys、放課後ロマネスク☆スター、ハイドランジアと錚々たるメンバーの名前が並んでいる。トップはジストペリドに譲ったが、その次に華咲はwing guysをぶつけた。同じ高校の同級生同士の揃い踏みに早くも話題がトレンド入りしている。放課後ロマネスク☆スターは中盤に登場する。今勢いに乗っている彼女たちの登場は文句のないところだろう。司会はRiser-sが務め、壱星以外のメンバーは同じ事務所所属のグループのバックダンサーに混じったり、歌唱に参加したりしながら場を盛り上げる予定になっている。


「こちらも問題なしね」


 車窓にEARTH HALLが見えてきた。五千人を収容できる大ホールだが、中の熱気を外から伺い知ることはできない。観客のいない会場はただのコンクリートの塊のように無言で立っているようにみえる。RYU-SAYのメンバーはもう来ているのだろうか。


 華崎はちらりと時計の表示に視線をやると、スケジュールの確認作業へと戻っていった。

お借りしたアーティストの出典を

登場順に紹介します


LAST BULLETS 友永夏野

「夏よ季節の音を聴け -トラウマ持ちのボーカリストはもう一度立ち上がる-」

作者:未来屋 環様


https://ncode.syosetu.com/n8380hl/


綺羅めくる

「小さなジャンヌダルクの凱旋」

作者:山崎山様


https://ncode.syosetu.com/n8181ic/


秋本 美咲

とある動物園にて

作者:江保場狂壱様


https://ncode.syosetu.com/n8709ib/


歌う蟲ケラ ミオタ(山田 美桜 ) 平澤 唯

HUN:SOCK

「歌う蟲ケラ」

作者 いでっち51号様


https://ncode.syosetu.com/n8206ic


ジストペリド、wing guys

「僕のアイドル人生詰んだかもしんない ~ 転校生は僕の運命の歌い手?! 色気あるバリトンからハイトーンまで……アイドル底辺からの下剋上の歌 ~

作者:悠月 星花様


https://ncode.syosetu.com/n5201ic/


放課後ロマネスク☆スター

「放課後ロマネスク☆スター」

作者:綺羅 なみま様


https://ncode.syosetu.com/n8548ic/


リドレス・ヘッドバンキング

「リドレス・ヘッドバンギング」

作者:にのい・しち様


https://ncode.syosetu.com/n1505ie/


次回はEARTH HALLにて メテオシャワーフェス開幕!

それではまた二週間後にお会いしましょう。




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― 新着の感想 ―
たくさんのアーティストが参加するフェス、それぞれの出典も記載されていて、たくさんの作品世界と繋がっているのを改めて感じました。素敵な企画ですね(*'ω'*)
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