17 星は再び動き出す2
今回は歌手になろうフェスから名前をお借りした方がたくさん登場します。(名前だけですみません)
「聞きましたよリュウさんー。テーマソング、いいじゃないですかー!」
翌日早朝に祐介から連絡が来た。
「早えーな。まだこれからだぞ?」
「いーんですよー、まだまだいつ開催できるかなんて誰にもわかんない状況なんですから。でもね、壱成くんもリュウさんもフェスの開催を待ち望んでくれているっていうその気持ちがめちゃくちゃ嬉しかったんです。そこでですね、ちょっとしたキャンペーンみたいなのやってみちゃどうかと思いまして……」
祐介から出たキャンペーンとは、SNSで#ハッシュタグを使ったキャンペーンをやろうというものだった。Meteor Shower Fes.の広報とも組み、「#メテオシャワーフェスで会おう」を広めるというものだ。アンバサダーのRYU-SAY、Riser☆sはもちろん、参加したいアーティストにも宣伝として使ってもらう。そしてアーティストだけでなく観覧希望者からの応援メッセージにも使ってもらうというものだった。
フェスがいつ開催されるかはわからない。だからこそ開催されるのを待っている、という世論から作ろうということだ。
「その際にですねー、あのフレーズがピッタリ来ると思うんですよー、なのでRiser☆sからはオッケーもらってるんでRYU-SAYもそれを一発一声めにお願いしたいんですよー」
祐介の説明を受けて作成された両チームからのメッセージPVはSNS、YouTubeを通して瞬く間に拡散されていった。
新曲のお披露目を兼ねて出演したミュージックアワーショーでもその話題が振られ、司会者のモリタがこうマイクを向けてきた。
「さて、これからRYU-SAYには新曲『Out of Distance』を披露してもらうわけですが、セイジさん、なんでもSNSでバズってる言葉があるんだって? やっぱり君の発案かな?」
マイクを渡されたセイジが笑いながら答える。
「いやー、だったら良かったんすけどねー。そしたらもっと俺のネームバリュー上がったんですけど、残念ー。あれは壱成クンの発案なんすよ。いい言葉でしょ?」
「参加するアーティストだけじゃなくて観客まで巻き込んだムーブメントは面白いよね。それじゃRYU-SAYの皆さん、あの決めゼリフを全員で。その後曲の準備お願いします」
リュウヤの合図で立ち上がったメンバーはカメラに向けて声を揃えた。
「それじゃあ、行くぜ! We are menbers of」
「「Meteor Shower!!」」
「みんなで流星群になろうぜっ」
「「メテオシャワーフェスで会おう!」」
「#メテオシャワーフェスで会おう」はどんどん広がりを見せていた。もともとのフェス自体がロックフェスとアイドルフェス、そこにインディーズバンドのフェスを組み合わせるという大掛かりなものだ。参加希望者も多岐に渡り、観覧希望者はそれ以上にいる。アーティストが声を上げれば、そのファンが、「◯◯の参加応援します、メテオシャワーフェスで会おう!」と拡散する。実際のフェスがいつ開催できるか先が不透明なままであるにも関わらず、コメントだけがどんどん増えていく。
RYU-SAYの打ち上げにいたメンバーは比較的早くメッセージを上げた。ハイドランジア、wing guys、秋本美咲。その後ジストペリドも参加表明し、この辺りからファンの応援メッセージも激増してきた。アイドルグループも次々と参加表明し、放課後ロマネスク☆スター、Riser☆sの後輩にあたるグループもいくつか名乗りを上げている。ロックグループとしてはKing&Queen、LAST BULLETS、Benzaiとそうそうたる顔ぶれだ。インディーズに至っては続々と参加表明をしているため、数え切れないほど。
「皆、フェスを待ちわびているんだな」
そんな中、事件は起こった。打ち合わせのために事務所へ向かう前に何気なくつけたTV。見出しの中にその言葉は書かれていた。
『メテオシャワーフェス開催決定!』
「……聞いてねーぞ」
寝耳に水のニュースに、移動途中の車の中で急いで検索してみた。
「発表がV-Bex代表 華崎鮎美? どういうことだ?」
慌てて祐介に連絡してみたが、繋がらない。
「どうなってやがる……」
詳細がわかったのは事務所に着いてからだった。いつもの会議室に設置されたアクリル板越しに、マネージャーの坂元と水野に加え、社長の高槻がいた。
「今後の打ち合わせをと集まっていただきましたが、その前に火急の案件がありますのでその説明からさせていただきます。本日ニュースで発表されたメテオシャワーフェスについてです。あれは以前からRYU-SAYがアンバサダーをしているフェスとは全く関係がありません」
そう言って坂元が説明した話に、メンバー全員開いた口が塞がらなかった。V−Bexが他の大手音楽事務所を巻き込んで立ち上げた一大フェス企画で、しかも会場は同じEARTH HALL 、SUN HALL、 MOON HALLを使って行われるのだという……。
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今回は名前だけですが、たくさんの作家様からお借りさせていただきました。初登場の方のみ作品を紹介させていただきます。
華崎鮎美 いでっち51号様
「歌う蟲ケラ」
https://ncode.syosetu.com/n8206ic/
放課後ロマネスク☆スター 綺羅なみま様
https://ncode.syosetu.com/n8548ic/
King&Queen LAST BULLETS 未来屋 環様
【完結】夏よ季節の音を聴け -トラウマ持ちのボーカリストはもう一度立ち上がる-
https://ncode.syosetu.com/n8380hl/
今回は名前だけの登場ですが、今後活躍していただく予定にしております。
なお、Benzaiは以前にも登場していただいた 如月文人様の「再結成」に書かれている弁財 秀人のバンド名になります。
それではまた二週間後にお会いしましょう!投稿時間は 21時を予定しています。
Meteor Shower Fes. はどうなるのか? 華崎鮎美に乗っ取られてしまったのか!?
お楽しみに。