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11 星は集まる4

ついにフェス開催に向けて動き出します!

「壱星くん、相変わらず活躍してるねー。正月特番のクイズさま、見たよー。惜しかったねーもう少しで優勝狙えたのに」

「宇治松さんやモトレーザーさんの博識にはまだまだ及ばないです。三位には留まりたかったんですけど、宮本さんに最後抜かれてしまいました」

「アイドルクイズ王たぁ、意外な組み合わせだが悪くない。クイズに挑戦してる時の壱星は、歌を歌ってる時とは別人の雰囲気があるからな」

「リュウさん、ありがとうございます!」

「泣くなよ?」

「だ、大丈夫です」


 そう言う壱星の瞳は微かに潤んでいる。それを笑いながらリュウヤはグラスを傾けた。ひとしきり歓談が済むと、祐介がホステスに合図を送った。心得たように彼女たちが離席していく。三人だけになるのを見計らい、祐介が身を乗り出すようにして言った。


「さて、本題なんですけどね。例のフェス、二年後の夏、北海道で開催出来るように会場は抑えましたよ。五千人規模の集客キャパのあるホールです。だけどねー、同時開催はできても会場を同じにするのはやっぱり難しくて、」


 はーっと大げさに溜息を吐いて続ける。


「ですからね、小樽と旭川の二ヶ所の会場をとりあえずキープしました。スポンサーもぼちぼち集まってきていますから、そろそろ動き出そうと思ってるんですよー」

「お前、あれ本気マジだったのかよ」

「その二箇所に分けてるのって、住み分けみたいなものですか? アイドルフェスとロックフェスを同時開催するという感じですか?」


 リュウヤは呆れたように声を出したが、壱星は逆に興味を引かれたようだった。祐介も嬉しそうに続ける。


「お、壱星くん、鋭いねー! その通り。あとインディーズフェスも開催できないかと思ってるんですよー。こちらはこれから知名度上げていくグループ主体になるでしょうから、札幌辺りで会場を押さえる予定にしています。キャパもそんなに必要ないんで、ゆっくり探しても間に合うからね。フェス開催の正式発表までに押さえておけば問題ないんでしょー。それで、メインは旭川のEARTH HALL、小樽のSUN HALLの二大会場になります。どちらのホールも、あっという間に満席になるでしょうから、近くにパブリックビューも設置するのがいいんじゃないかなって考えてますよ。ね、ね、どうですぅ?」


 祐介の瞳が眼鏡の奥で得意そうに光り、熱を上げながら続ける。


「リュウさんが心配してた資金だけど、もう既に何人かの投資家からは参加表明もらってるし、スポンサー企業も候補はいくつもある感じなんだけど、どうです?」


 そう言って胸を張る祐介に、リュウヤは大きなため息を吐いた。


「やれやれ、こりゃとんでもなくどでかい花火だな。どうせ事務所にも話は通してるんだろ? 断われねぇじゃねえか。まったくお前と関わるとろくなことがねー」

「リュウさんひどいですよー。僕が何したって言うんです?」

「言い出したらキリがねーから言わねーよ。……よし、わかった腹をくくろう。……んで、俺ら二人に折り入っての話ってのはなんなんだ?」


 すると祐介はもったいぶった様子で言った。


「本当はRYU-SAYとRiser☆sのメンバー全員に集まってもらって話が出来るといいんですけどね、さすがにスケジュール合わせるのが厳しくって。そこでですね、……」


 祐介の話をまとめると、こういうことだった。

 二年後の夏に北海道全土を巻き込んだ音楽フェスを開催する。EARTH HALLはロック中心のアーティスト、SUN HALLはアイドルグループ中心に出演者を募り、同日同時刻に開催。同じイベントをインディーズ中心に札幌でも開催する。またEARTH HALL、SUN HALLの近くにはパブリックビューを設置し、随時会場内の様子を見られるようにするということだった。さらに、三つのホールは舞台の後方に巨大スクリーンを設置し、他のホールと繋げられる状態にして一体感を演出。アーティストによってはコラボイベントを開催することも可能だという。


「それからですね、リュウヤさんと壱星くんには代表発起人を引き受けていただきたいんですよー。RYU-SAYとRiser☆sのメンバー全員に発起人になっていただきますよ。それから開催元としては新たにフェス実行委員会を立ち上げ、そこが主催団体となってイベント全体を総括して行います。更にですねー、……」

「待て、ストップだ」


 ええー、と情けなさそうな声を上げる祐介は無視してリュウヤが声を上げた。


「そんないっぺんにまくしたてられても頭に入らねー。で、俺たちは何をすればいいんた?」


 すると、一度ぱちりと瞬きをして祐介は、人差し指を顔の前で振ってみせた。


「んー、そうですね。でしたら、まずは名前かな?」

「「名前?」」

「そうです、先ずはこのフェスの名前を考えてください」


 祐介の満面の笑みを戸惑いながら見つめる二人だった。


この物語を読んでいただき、ありがとうございます。歌手になろうフェスは既に終了していますが、この物語はまだまだ続きます。


ゆっくり更新ですが、今後もお付き合いいただければ幸いです。歌手になろうフェス参加作品で使ってもいいよー! という方はまりんあくあに教えてくださいね。まだ登場していない作品のキャラはこれからどんどん登場予定です。ご期待ください!


それではまた二週間後にお会いしましょう!

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― 新着の感想 ―
祐介さんが皆のアイデアをまとめて形にしてくれそうだと期待していましたが、私の想像をはるかに超えてすごい人だった!めちゃシゴデキ!!(*'ω'*) 会場も抑えてどんどん具体的に話が進んでいきますね! …
[一言] 小樽と旭川…またかなり遠距離のホールで同時開催をするのですね…!初めの間はフジロックとかみたいに、羊蹄山あたりのスキー場に特設ステージを立てるのかと思ったのですが…。でも、これだと少し元気が…
2024/02/15 11:38 退会済み
管理
[良い点] ∀・)いやぁ~いよいよですね。拙作のMSFよりも期待ができそうな気がしてきました。ワクワクしますね。 [気になる点] ∀・;)蟲ケラたちが出てこない感じ……? ∀・;)あと個人的にだして…
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