今後について考える その2
「私もザイオース城下町が良い。色々な場所で戦い、どんな魔物、どんな相手にも対応出来る様になりたい。もちろんこのままクルマーの塔でスキルを磨くのも有りだが、目下の目標としてもっと強くなりたいから、新しい狩場は歓迎だ」
意外と、と言ったら失礼だが、セラからしっかりとした返答が来た。早く強くなりたいという気持ちは俺も同じだ。
次から次へ新しい狩場へ行くと応用力が嫌でも身に付くのもあり、新狩場は楽しいからな!
今後の希望と一緒に、カストール村へ居る間に、また模擬戦をしようと言われた。最近やってないし、喜んで承諾した。
明日の日中はセラと久々に戦ってみよう。セラは、クルマーの塔でずっとFAしてタンカーをしていたし、PKとも直接戦闘を行っているからな。大分強くなってると思う。
「私としてはクルマーの塔でもう少しレベル上げと、PTメンバーを増やしてフルPTになってから次の狩場や町へ行きたいわ」
アリアは相変わらずPTの安全を考えてくれている。確かにレベルを50迄上げ、PTメンバーをフルメンバーの9人か、それ以上に増やして2PTで移動すれば道中も安全だろう。
2PTフルであれば、PKPTに襲われたとしても何とかなる場面が増えると思う。死んだら終わりだから、当然の意見だな。
ついでにアリアとリカで模擬戦を行ったりしないのか?と聞いたところ、リカの詠唱が速過ぎるから止めておくとの事。
アリアの言う通り、エルフのWIZであるスペルシンガーは、対人戦最強のWIZとの声が多かった。1vs1なら先に当てた方が圧倒的に有利だからな。
「私とディムは少し休んで、は~さんとデートがしたいって話をしてたよ!」
「そうそう。観光は全員で行くけど、それぞれ色んな組み合わせで夜ご飯を食べに行くとか。まだまだ皆さんの事を知らないところもあるので!」
リカ、ディムは既に今後の事を2人で話していた様で、少し休憩したいみたいだな。まぁPTに入ってもらってから、ずっと狩り続けてるもんな・・・そういう気持ちにもなる。
俺ももちろん皆で出かけたいし、デートだってしたい。またワニと2人で飲みに行き、男同士の話をしてもいいしな。
観光に行くならエルフ村とダークエルフの村には行ってみたいなぁ。エルフ村の世界樹はきっと実物がとても綺麗だろうし、ワニの父親とも模擬戦がしたい。
ワニの婚約者にも挨拶したいしな。ダークエルフ村は基本的に地下だったので、全体的に暗いと思うけど、装飾とか凄い格好いいんだよな。現実ではどうか分からないけど、是非見てみたい。
しかし見事に意見が分かれたな。それぞれしっかりと主張があるので、俺としてはとても嬉しいが悩ましい。
色々混ぜた案でも考えてみようかな。そういえばワニはどうなんだろう?
「私は楽しそうなので、ハガネさんについて来ましたからね。皆さんの行く所に行きます。ただそれでは何でも良いと言ってる様な感じになってしまうので、意見を出すのであればPTメンバーを早急に増やしたいと言ったところですね」
「お、珍しいな。それには何か理由が?」
「この間PKPTの襲撃があった時に、改めて思ったのです。ハガネさんの負担が大きすぎると。せめて後、ヒーラー1or2人かアタッカー1or2人を入れた方が良いかなと考えました」
やはり常日頃から色々考えてくれているんだなぁ。余り話す方ではないが、誰よりもしっかりした人物だと思う。これからも頼りにしているよ。
後は・・・いつか必ず接近戦で追い抜いてやる。明日はワニとも模擬戦を是非行おう。
何はともあれ全員の意見を聞く事が出来た。全員すぐ答えてくれたのは嬉しい。皆も今後を考えて一緒に居てくれているんだな、と実感出来た。
「皆ありがとう。少し俺の方で考えて、明日また話すね。とりあえず、明日の昼にワニとセラは模擬戦だな!」
「おぉ!望むところだ!私も少しは強くなったはずだぞ。いよいよハガネに追いつける時が来たのか」
「まだ簡単に追いつかれる訳にはいかないよ。楽しみにしてるね」
「じゃあ私も回復と防御系のエンチャント係として同席しますね」
セラはテンションが大分上がってるな。ハクにはいつも面倒をかけてしまってるので、そろそろ何かお詫びとお礼をしたい所だ。
ワニは微笑んでこちらを見ており、特に何も言わないな。空気を常によんでる奴だと思う。
明日の模擬戦はどうやろうかな。3人で交互に行うだけでも良いけど、チーム戦もしてみたいな。
「アリア、リカ、ディムもたまにはどうかな?良ければ一緒に行こうよ」
折角なので、後の3人にも声をかけてみた。
「私もたまには行ってみようかしら。凄い久々だから少し怖いけど」
「私ももちろんいいよ♪デートに誘われちゃったと思って喜んで行くね」
「はーさんに誘われたら、もちろん行くよ!!」
リカ・・・こんな色気のないデート、俺は嫌だぞ。
ともあれ、3人とも来てくれるようなので、明日が楽しみだ!




