魔法が使えないけどメイジ
思い立ったが吉日
行動派としては、好きな言葉だ。
目的の人物を見つけて、声をかける。
「神父様、お尋ねしたい事があります」
偉い人かもしれないので、一応丁寧口調を心がける。
「おぉ、どうしましたか?」
「魔法について教えて欲しいのですが・・・メイジである私なら、風魔法が使えるはずなのですが。
しかし、今の所発動する気配が全くなくて」
「ふむ・・・」
神父は目を閉じ、考え込んでいる。
あまりに俺の才能がないから、言いづらいのか?
「ハガネよ。神の祝福は何度受けましたか?昨日からの時間を考えれば何度かは受けていると思いますが」
「え?祝福は・・・」
(祝福って何だ?何回かは体感してるはずなのか)
もしかして、LvUPの事かな?
回数的に何かあった事と言えばきっとそうだ。それなら・・・
「3回頂きました。その度、身体に力が溢れております」
神父は納得したようだ。
良かった、あってた!
「神の力の一部である魔法の行使には、神の祝福が最低4回必要です。貴方はまだそのレベルに達していない為、今はまだ行使する事は出来ません」
なるほど・・・分かりやすい説明どうも。
ようはゲームだと初期魔法だったのが、最低Lv5からと厳しくなったようだ。
「まずはもう一度祝福を授かり、後にこちらへ参りない」
「わかりました。ご教示頂きありがとうございます!」
何でこんな難易度あがってるんすかね。
金、装備、飯、スキル・・・なんにもないじゃなか!
顔がいいだけでは、この世界は生き延びれないかもしれない。
まぁ、いいか。
ローブ購入は後にして、籠手とかを揃えよう。
武器にというより、防具として欲しかったから。
ウサギはワンパンだしね!
目標変更しつつ、村へ戻る事にした。
が、やはり魔法が使えないショックは大きく、帰りの歩みは、遅いものとなった。