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男だけのサシ飲み

 全員3次職になり、スキルを覚え、ハクの追求を逃れ、宿へ帰って寝た。



 翌日、朝早くから皆で装備を揃えに出かける事にした。男性、女性は別れて行動になったが、考えてみればワニと2人きりってのは、再会し生き返った時以来な気がするな。良くも悪くも踏み込んで来ない奴だから、上手く付き合えているんだろうけど。もうちょっと絡みが増えても良いかな。

 本音で話したのなんて、PKに殺され復活した時位しかない。ちょっと今日は、我がPTメンバーで唯一の男性メンバーにスポットを当ててみよう。



 まず分かってる事は、エルフでイケメン、金持ち、婚約者がダークエルフとドワっ娘の2人居る。100歳越で経験豊富、武術の腕は俺より強い。そして領主の一人息子だ。

 なんか思い出していると、ワニは何も悪い事をしてないのにムカっとするのは、俺の人間が小さいせいかな。

 この世界では俺も格好いい見た目だと思うのだが、明らかに雰囲気もワニの方が良い。エルフの見た目はズルいと思う。

 そして忘れてはならないのが、俺と同じ転生者だ。前世の記憶を持ち、この世界で唯一俺が転生者だという事を知っている。

 だけど、お互いこの世界が楽しいのか馴染んでいるのか、前世の話などしないな。話すとしたら、そんな事よりこの世界の今後の事だ。



 と、並べたところで、転生者以外の情報は他のPTメンバーも全て知っている。何か他に聞き出せたりしないかな。

 PTメンバーの女性をどう思ってるのか聞いたところ、皆美しく、気立ての良い人ばかりですね。と爽やかな、悪く言えば当たり障りのない答えが返ってきた。

 俺が聞きたいのは、そういう答えではなくもっとこう・・・本音の部分だ。

 まだ昼間にもなって無いが、朝から飲める所へ行く事にした。



 酒場に着いたが、他の人達は皆朝食を食べていて飲んでる人は居ない。俺達のテーブルだけエールが運ばれてくる。今日は休みで買い物しかしないだろうから、たまには午前中から飲んでも良いだろう。

 乾杯して、朝食兼つまみのソーセージを食べる。



「でさ、ワニさんや。ちょっと腹を割って話そうじゃないか」


「ええ。構いませんよ」


「この後話す事は例え小さな事だとしても、他言無用で。転生者の話とか含めてね」



 前置きをして、少しずつ話しを始める。基本的にはそんな変な話をするつもりも無いが、こうでもしないとワニは話してくれない気がする。

 他愛のない話しを暫くして、エールも3杯ぐらい飲んだ頃に突っ込んだ話をし出した。


 まずは先ほどした質問を今一度する。PTメンバーの女性達をどう思っているのか。

 そう聞くと、どうもこうも無いと答えが返ってきた。皆の事は綺麗だ、可愛いと思ってるみたいだが、基本的にハガネさんを見てるから行動を起こす気はない、という事らしい。

 ハクとアリアは分かるが、セラもそうなのか?と聞けば、そうだ。と返ってくる。普段話しに参加してない分、他の人の話しが良く聞こえ、視線や態度がよく見えるとの事。

 リカさん迄増えて楽しそうで良いな、でも自分だったら大変だからハタから見てるのが丁度良いそうだ。


 実際の所、婚約者2人を置いてけぼりでワニは冒険者をしているが、大丈夫なのか聞いてみた。が、婚約者2人も両親も寿命が長いからそこ迄気にはしてない様だ。最初は少し反対されたみたいだけど。

 でも冒険者は命を落とす危険があるから、心配とかは?と聞くとワニがやられる所が今は想像出来ないと言われてるみたい。

 俺に対するハクみたいな信頼があるって事だね。確かに、ワニがそこら辺の魔物や、PKにやられるとは思えない。

 もし、1対1でワニを倒すようなPKが来たら、俺達はワニを見捨てて全力で逃げなければ、全滅する未来しか見えない。


 俺としては今後ワニの故郷へ遊びに行きたい事を伝えたら、快く承諾してくれた。婚約者や両親にも是非会って欲しいとの事。

 普段表面的な付き合いだが、嫌われている訳では無さそう・・・かな。



 少しだけワニの本音が聞けたので、今後の予定を話す事にした。

 まずはクルマーの塔に再度引きこもって、将来の仲間を見つける事と、各職業固有の今後必ず使い続けるスキルを覚えたいと伝えた。

 各職業はレベルが45になると、急に良いのを覚え最後迄使える性能を持っているスキルが手に入る。その後は少し旅をしたいとも話す。


 

「その予定ですと、これからも女性が増え続けるんですね。ハクさんの胃が痛くなり、私は楽しくなるのかな」


「いや・・・男だって良い人居れば入れるよ?まだワニしか入れてないけど。そりゃあ、女性は大好きですが、そこよりもPTが上手く動ける事の方が重要だと思っているよ」


「そういう事にしておきましょう。でも、ハクさん、セラさん、アリアさん、リカさん。4人のフォローはしっかりお願いしますね」


「余計なお世話と言いたいが・・・その通りなので了解だ」



 今日は良い時間を過ごす事が出来た。少しだけとは言え、ワニの本音の部分が垣間見えた気がする。

 2人で話しながら宿へ戻り、昼過ぎから寝てしまった。




 当然、夕方前には女性陣にお説教された。まさか買い物にも行かず寝ているとは思ってなかったけど、夕飯の時間になっても降りてこないから心配してくれたらしい。

 必死に謝り、買い物日をもう1日追加でもらい、女性陣監視の元装備を揃える事になった。買い物デートだと思えば俺は幸せだから良しとしよう。

 そんな中でもワニは一定の信頼があるのか、1人でのんびり店を巡るそうだ。



 明日は今までのお礼も兼ねて、女性陣達に楽しんでもらえる様頑張ろう!

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