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文無しは飯抜き野宿

「行ってきます」

「ああ、気をつけてな」


 先程の村人Aに声をかけつつ、また村の外へ出た。

 脱兎のごとく村へ逃げてきたのに、またすぐ村の外へ出る事になるとは・・・。

 広場の井戸から水は無料で飲む事が出来たのは良かった。

 水筒なんてないから、持ち運べないけど。

 早く何か食べたい。


 屋台で売っていた串肉が1つ50ゴールド。

 5匹倒せば一本食べれる。

 宿屋は300ゴールド。今は太陽が真上にあるから昼過ぎかな?

 夜までに魔石を貯めて、宿に泊まりたい。

 目標があれば人は頑張れる!ローブは明日以降だな。



 さてさて・・・回復薬もなければ、回復魔法も使えない。

 ダメージを受けずに効率重視でやろう。

 ゲームだと座っていれば徐々に魔力が回復していたが・・・。

 もし同じだとしても、時間効率が悪すぎる。

 そんな事をしていたら、野宿確定だ。気合入れていくぞ!!


 基本はバックアタックだな。

 不意打ちとも言う。

 卑怯者だと思いますか?


 その通り!!!


 でもね、生きてく為には仕方がないんです。

 ご飯の為にも、ウサギには魔石になってもらいましょ。


 そういえば、まだ魔法使ってなかったな。

 初期は風魔法が使えたはず。走り回るのは時間かかるし、防御紙だし遠距離攻撃一択だな。


 ソロリソロリ・・・


 ウサギの背後から、そーっと・・・・・・。

 有効範囲が分からないので、10m程離れた所から試してみよう。

 そういえばどうやって使うんだ?

 前はクリック一発だったが、アイコンも無いし。

 詠唱してた気がするが、そんなの覚えてない。


 ・・・・・・俺にはこの拳がある!!


 ウサギに向かって走り出した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 いつの間にか日が落ちてきた。

 明かりも持ってないから、真っ暗になったら何も出来ない。


 早く村へ帰ろう。美味しいご飯と、温かいお風呂が待ってる。


 ・・・はずだった。


 頑張ったと思うが、結局300ゴールド分の稼ぎなんてなかった。

 あいつら広い草原に散らばりすぎなんだよ。

 確かに一撃で倒せたけど、体感で3~4時間走り回り、手に入れた魔石は20個。

 どうやっても、何回かに一度は頭突きを喰らい、涙目になりつつ回復の為に座りつつ狩りを続けた。

 いい狩りの方法を見つけなきゃ、いつまで経っても人並みの生活が出来ない。

 こうなったら串肉を大量に食べて、村の隅っこで寝よう。宿が無いにしても、せめて腹を膨らませたい。



「今晩は~。おっちゃん、串肉5本頂戴!!」

「お、坊主そんなに食えるのか?」



 俺はハゲてないっ!



「良いから頂戴。ほい、魔石5個ね」

「何言ってんだ。魔石じゃなくて、ゴールドで支払いな」

「え、換金して売ってくれないの?」

「こんな屋台で換金なんか出来ないぞ、常識だろ」



 憐れんだような目で、おっちゃんに見られてる。

 でも店はもう閉まってるし・・・。

 あぁ・・・。



「また明日くるよ!」



 武士は食わねど高楊枝・・・。

 結果飯も、風呂もお預け。

 一日頑張ったんだけど、これは世知辛い。

 こんなんで、やっていけるのかな。

 レベルはまた1つ上がったけど、先が思いやられるな。

 明日はきっと良い事あるさ。


 自分に言い聞かせ、お気に入りの木陰へ向かって行った。

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