表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/200

待望のPTメンバ追加

 宿にある俺の部屋へ戻ってきた。流石にハクの部屋では集合しづらい。

 俺としてはワニさんをPTに入れ、B1F最奥部屋か、B2F手前小部屋でガシガシ狩りたい。

 元々効率厨だった訳ではないが、リアルでやる事になるとどうしても効率を重視してしまう。毎日街で露店をしながらくっちゃべってただけの日々が懐かしい。

 今はとてもそんな余裕がないが。



 ハクにPTメンバーを増やす事を打診してみたら、あっさりOKが出た。やっぱり金持ちイケメンエルフだからか!

 まぁそういう理由ではなく、俺が良いと思って伝えたからそのままOKしたような気がする。

 ハクからの信頼は大分得られたと思うが、俺も間違える事だらけだから手綱を握って貰えるよう伝えておいた。

 やらかす事ばっかりだしな。

 今生きてる人達は死んだ事がないわけだ。それに比べて俺はもう何回も死んでいる。ハクがいるから巻き込むような無茶はしなくなったが、本当はもっとギリギリを攻めていきたいと思ってる。ワニさんを加えれば・・・もっと攻めれるはずだ!



 ハクとの話が終わり、そのまま1Fの酒場へ。見渡すとワニさんがいた。

 目立つなぁ、あの人!

 ここはヒューマンの離れ小島だから、ほぼ他種族が居ない。今まで気が付かなかったのではなく、最近こちらへ来たのだろう。

 その辺も含め色々聞いてみるかな。



「ワニさんの生還を祝って・・・乾杯!」

「「乾杯!」」

 


 相変わらずハクさん一気飲みするなぁ・・・。

 初対面の人と食事だから緊張してるのかもしれないな。とりあえず俺からワニさんに話題をふっておこう。

 色々と聞きたい事もあるし。




「zzz・・・」

「ハガネさんの心配ばかりしていたから、ハクさんは疲れたんですね」

「心配されないぐらい、早く強くなりたいものです」



 3時間程飲み食いして話していたら、ハクがダウンしてしまった。まぁ10杯近くのみ続けていたから当然だろうな。

 男2人と飲んでるのに、酔い潰れないで欲しい。警戒心をもう少しは持つようにしてもらおう。

 色々ワニさんと話し確認した所・・・。



・今日この島に来たばかりで、先程のPTは野良PT(俺とハクみたいに固定で組まない。ダンジョン入口とか村で募集して組む臨時PT)だった。

・故郷では、やはり俺の想像通り貴族の家で生まれ育ち、お手伝いさんとかもいるそうだ(この世界のメイドさんとお近づきになりたい!)

・普段あまり遠出をしなかったようだが、本で見てここを知り遊びに来たとの事。

・かなりネガティブで遠慮しいな所があるようだ。後、本人は気が付いていないが、多分運が悪い。

・これからの予定として、転職出来たら故郷へ帰るそうだ。それまでのPTは特に決まってない。

・結婚はしてないが、故郷に許嫁がいるそうだ。ずるい・・・。


 

 これ幸いと、俺の固定PTへ転職迄参加しないか聞いたところ、2つ返事で了承してくれた。

 お互い戦闘中に迄さん付けはアレなので、呼び捨てでOKになったが、ハクに対してはハクさんと呼ぶそうだ。



「では明日、日の出頃に村の入り口で集合しましょう」

「えぇ。宜しくお願いします。お二人の邪魔をしない様しますね」

「別に彼女とかじゃないですから・・・お気になさらず」

「とてもそうは見えませんが・・・では、気にせず参加させて頂きます」



 さて・・・ハクを部屋へ連れて行かないと。




 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




《ワイルド・ニート・ニーベルング視点》




 私はワニ。この呼ばれ方を気に入ってる。皆さんも呼びやすそうですし。

 口調が違うのは、人と話してないからなので、気にしないで下さいね。



 基本的に私は家に居る事が多かったが、読書が趣味で冒険譚に憧れ、親の許しを得て装備を揃え、家の近所でのみ狩りをしていた。

 家の近所には世界樹があり、とても水が綺麗な所だ。たまにヒューマンなど他種族がくると幻想的だと口にしているのを聞く。

 観光に来る男女も多く、私も良く許嫁と散歩へ行く。

 今回ヒューマンの島へ冒険しに行く事を決め伝えた所、家族と許嫁に大反対された。

 だが本で読み興味を持ってしまい、中止にする気はなかった。私が意外と頑固なのは皆知っている。

 なので、最終的には良い装備や回復剤迄準備してくれ、快く送り出してくれた。皆には感謝している。


 準備万端で船に乗りヒューマンの島へ辿り着いた。

 冒険と言えばダンジョンという考えが有った為、村で場所を聞きダンジョンへすぐ向かった。

 しかし入り口で警備兵に止められてしまった。ダンジョンは5~7人PTが基本だ、との事。

 入口でそんなやり取りをしていたら、ヒューマンの4人PTに良かったら一緒に行かないか、と声をかけられた。

 喜んで了承して、参加させてもらう事になった。


 薄暗い階段を降り最初の小部屋に行った所、見た事も無い全身骨の魔物が居た。スケルトンと言うらしい。

 このPTには盾持ちのタンカーが居る為、私は後ろから弓を撃っていれば良かったので、特に苦労がない。

 死にたい訳ではないが、冒険譚とは程遠いなと思っていた。


 PTリーダーがもっと奥へ行こうと提案し、私以外の人は少し心配していたが、3部屋目迄行く事になった。

 部屋には8匹のスケルトンが居たが、少しずつ狩れば大丈夫でしょう。

 そう思っていたが、慣れてない盾役の人が部屋の真ん中にいる魔物に向かい、攻撃をしてしまった。

 当然大リンクし、一瞬で壊滅の危機になった。PTリーダーが撤退を指示する。正しい判断だ。

 だが、一匹は完全に盾を狙っており、他の骨も反応している。このままではぞろぞろ引き連れて、手前の部屋に居る人へ迷惑がかかる。

 そう思った私は、ヘイトをとる為に弓を構え、スキルのダブルショットを使った。MPを消費する変わりに、威力の高い魔力の矢を2本続けて放つ技だ。


 無事ヘイトがとれ、7匹はこちらに来た。PTメンバーは1匹だけ引き連れ逃げて行った。助かるといいな。


 私は7匹に囲まれ、攻撃を諦めた。まずは回避に専念してみよう。意外と避けれる事に気が付く。

 少し気持ちに余裕が出てきたので、短剣を取り出し1匹倒す事に成功する。

 だが、余計な事をした為、何発も攻撃を喰らってしまう。何とか立て直し、少しふらつきながらもまた回避しだす。

 これぞ冒険!ではないですね。自殺してるようなものだと思った。

 許嫁の怒りながら泣いてる顔が思い浮かぶ。


 その時だった。私を優しい光が包む。ダメージを受けていたのが嘘のように身体が軽くなった。


 お礼を伝えると私が回避してる間に、どんどん魔物を減らしていく。メイジなのに接近戦とは珍しい。

 私も最後の1匹だけは倒す事が出来た。


 どうも入口で私のPTと話し状況を知り助けに来てくれたようだ。赤の他人を危険を冒して助けにくるとは・・・人の事は言えないが、お人好しな人だな。

 戦闘が終わり話しながら出口に向かいつつ狩りを行う。

 さっきの5人PTより、魔物を倒すのが早かった。これぞPT(ペアですが)の醍醐味か。

 メイジなのに接近戦が強いのも驚きだが、それ以上に全体を俯瞰して見ているかの様な指示と動きをする。見た所は高レベルでもなさそうだが、どこでここまでの経験を積んで来たのか謎だった。

 

 入口までたどり着くとハクさんという方が、ハガネさんに泣きながら抱き着いていた。彼女か奥様ですかね。

 そんな大事な方を置いて、ソロでダンジョンに入るヒューマンメイジ・・・冒険譚に出てきそうな人だ。英雄・・・とまでは言えないかもだが、冒険者という名には相応しいと感じた。

 もっと話をしたかったので、お礼もかねて食事へ誘い、話したいだけ話しをする事が出来た。


 その話の中で幸運にもPTにお誘い頂けた。明日が楽しみですね。

もし少しでも面白いと思って頂けたら、↓の☆をクリックしてもらえたら嬉しいです!

ブックマーク迄してもらえたら・・・幸せになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ