ウサギ怖い☆
「では、これよりメイジとして、常に精進するように」
・・・・・・誰?
なんだろ・・・神父?みたいなおっさんが何か変な事を言ってる。
というかここ何処?教会?
教会なら神父が居てもおかしくない。
なんの問題もないね♪
って、問題ありまくりだよ!
何で俺はこんな所に居て、こんな事を言われてんの!?
意味が分からん。居酒屋店員に何を期待しているのやら。
「・・・ハガネ?どうしました?誰でも最初は不安があるとは思いますが、大丈夫ですか?」
神父さんをほったらかして考え込んでたら、心配されてしまった。
目の前で表情をコロコロ変えていたら、そりゃそうですよね。
「あの・・・」
ここは何処、私はだ~れ?と、テンプレを伝えようとしたが、そんな事を伝えてしまったらおかしくなったと思われてしまう。
取り合えず、適当にやり過ごして後で考えよう。
「いえ、失礼しました。精進して参ります」
「はい。神は常に我らと共に」
意味の分からないまま、教会から出た。
そうしたら・・・余計に混乱した。
外は一面草原。遠くに村?のようなものが見える。
小高い丘の上にこの教会は建っていたみたいだ。
夢・・・ではない。穏やかな日差しと心地よい風。草の香りが漂ってる。
昼寝をしたらかなり良さそうな場所だ。
疲れすぎて、休憩しようと考えていたら癒されそうな場所にきた。
ただもう、疲れとかどうでもいい。誰か説明を!!
しかし見渡す限り、この草原には人がいない。
ウサギ?みたいのがチョロチョロいるが、こんな自然豊かな場所が居酒屋の近所にあるとは思えない。
ここに居てもしょうがないので、とりあえず村?へ向かってみよう。
昔からそうなのだが、まずはやってみる・ダメなら他の手を考える癖がある。
良く言えば行動的。悪く言えば無鉄砲。大体は考え無しで動くもんだから、痛い目を見る事の方が多い。
今回はどうだろう・・・ま、行ってみよ!
しかし、気持ちのいい草原だなぁ。先ほど迄冬だったはずだが、今の気温的には春だね。
春は出会いの季節だが、別に神父と出会いたいわけではない。
どうせなら、可愛い娘と出会ってみたいもんだ。40のおっさんを受け入れるやつは中々いないだろうが。
見晴らしが良いから村?もう、村でいいや。
村が見えてるが、地味に遠い・・・10分ぐらい歩いても、全然近づかない。
日頃運動不足だから、足が痛くなりそうだな。
そう思い気づいたが、なんかやけに体が軽い。
疲れはないし、今なら100mダッシュもいけそうだ。
試しに走ろうかな?でも、転んだら嫌だな。
運動会のお父さんのように、はっちゃけて大怪我は遠慮したい・・・。
とか考えつつ歩いてたら、いつの間にか足元にウサギがいた。
やけに近い。臆病な生き物じゃないのかな。
ペット?しかし、目つきが悪いなぁ。
「人が怖くないのか?」
草原でうさぎに話かける寂しいおっさんの誕生だ。
やはり魅力的な人間には、動物も寄ってくると♪
にしても赤目のウサギが近い。近いというか目の前に飛んできてる。
やっぱウサギのジャンプ力は凄いのか!と、感心した瞬間に顔にぶつかった。
ドン!!!!
「痛っ!!」
思わずのけぞり、後頭部から倒れた。
イタイイタイ!鼻折れてないよね!
何でコイツぶつかってくんのっ!ウサギに攻撃されるとか初めてだよ!
何の恨みが・・・アレ、またこちらを睨みつけてます?
ウサギさん、落ち着いて。もう1回は無理だから。
人生初の魔物と戦闘である。
今更ですが、ハガネの画像をつくってのせてみました。
絵もAIので初めてつくったので、変だったらすみません。見れてますかね?