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オルフェンとの戦い その6

「ハガネさん!ハガネさん!」



 ギンナルさんの声で起こされる。一瞬?意識を失っていたみたいだ。ギンナルさんから起こされた上に怒られた。



「全くもうっ!聞いたよ~。ヒーラーとしたら正しい行動だと思いはするけど、指揮官なんだから、ちゃんと自分の安全も命も考えて下さいねっ!!」


「いや、面目ないです・・・来てくれて助かりました。ありがとう、ギンナルさん」



 まだまだ戦いの真っ只中だが、感謝の気持ちを伝えるのは大事な事だ。後で伝えようとしても、伝えにくくなってしまったり、お互い絶対生きているか分からない世界だからな。

 今は眷属を3匹倒し終わり、ラスト1匹に対して盾3人が交互にUD(アルティメットディフェンス)を使用し、耐え忍んでくれている所だった。

 

 現状アタッカーやヒーラー達のMPが枯れてしまった様で、盾3人がUDの間に休憩をとっているらしい。あれ・・・俺が意識を失っていたのは、全然一瞬じゃなかった。3匹も眷属を倒し終えていると言う事は、かなりの時間が経過した事を示している。

 どれだけ俺は気を失っていたんだ───不味い、皆無事なのか。

 俺は一瞬不安になった。


 まぁ、ここにオルフェンが来てない以上、セラ達楽園の管理者は無事だろう。万が一にもやられていたら、こちらも壊滅してるはず。嫌な判断材料だ。


 あ・・・そういえば戦乙女達に助けられていたんだった。でも、辺りを見渡してもメンバーの1人として存在しない。まさか、俺を助けた所為で・・・!



「ジャンヌ!ジャンヌと戦乙女は無事かっ!!」



 助けてもらっておいて、確認が遅れてしまった。戦乙女の人達が居なければ、俺は先ほど死んでいたのだ。無事であって欲しい・・・。つい大声が出てしまう。



「ビックリしたなぁ。気持ちは分かるけど、急に大声出さないでよねっ。安心して。戦乙女の9人は、ハガネさんの無事を確認して、オルフェンの方へ行ったよ。皆ハガネさんを死なせないでっ!って大声で必死に叫んでたよ。特にドワっ娘さん。自分にヒールを先にもらっておいて、くれたヒーラーが死んじゃったら、辛いからね。ちゃんと、そういうところも考えてあげてね」



 良かった・・・ワニ推しのドワっ娘さん含め、皆無事か。何とか戦線の維持は出来ているんだな。確かにそれで死なれちゃ、嫌な気持ちが残るだろう。俺も助けてくれた戦乙女が死んでいたら、とても辛いし、仲間になんて報告して良いのか悩んでしまう。

 少しはそういうところにも気を回せるようになりたいが、正直今は厳しいなぁ。でも、この極限状態の中でもそういった気遣いが出来る様に、俺ももっと成長しないとな。



「それと・・・遅くなったけど、私達を助けてくれてありがとう。死者は出てしまったけど、ハガネさんが来てくれてなかったら、私も含めもっと死者が出てたと思う。そうしたら、今みたいに眷属を倒せず、下手したら全滅したと思う。本当にありがとうね。ちょっと惚れそうになっちゃった♪」



 死者を出さずに討伐完了が目標ではあったが・・・助かった人がちゃんと居て良かった・・・のかな。それと、最後に嬉しい1言も伝えてくれているな。頼りない主催者に向かって、こんな事を伝えてくれるのは、非常に有難い事だ。



「でも───無茶しすぎ!何でヒーラーが眷属を引き受けるのよ。しかも戦乙女が参加したとは言え、3匹も・・・心配したんだからね!」


「はい・・・反省します」



 こうして話せるのも、お互い死なずに済んだからだ。討伐が終わったら、改めて皆に感謝を伝えよう。

 ギンナルさんと話しながら休憩し、大分頭がはっきりしてきて、身体の感覚も戻ってきた。今、この時間もセラはメイン盾を。楽園の管理者と戦乙女はそのフォローを少ない人数で行っている。

 誰かが死んでしまう前に、その場へ俺も戻らないとな。


 眷属はここのメンバーで大丈夫そうだな。盾の表情にも、気持ちの余裕が出てきている。UDは使ってしまったが、またオルフェンを倒す時には、周りの魔物を引きつけてもらったり、いざって時のフォローをしてくれるだろう。

 


「じゃあ、私はオルフェンの所へ行きます。ギンナルさん、死なないで下さいね」


「もっちろん!ハガネさんもね!」


「はい、ありがとうございます。ではこちらの指揮はお任せします。行ってきます!!」



 眷属は順調に倒せそうなので、後はオルフェンのみ。いよいよ大詰めだ。油断せずいくぞ。

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