表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/200

狼怖い

 さてさて、新装備を試しに行こうかな。Lv10になってヒールも覚えたし、今までの俺とはわけが違う!

 ゴブリン3匹or狼2匹位いけるっしょ!調子に乗り過ぎない様にだけは気をつけて、Lv15を目指そう。


 しかし・・・剣と魔法のファンタジー世界。

 お姫様を助けたり、権力を振りかざす貴族と対峙したり、冒険活劇が待っているかと思っていたが何もないな。

 日々レベル上げに森へ通い、会っているのはゴブリンだけ。

 多分だけど、普通の同レベル達はPTを組んで別の場所で狩りしてるんだろうな。この森で俺以外の人間を見た事ないもん・・・。

 それでも普通なら、絹を裂くような悲鳴が聞こえてきて、可愛い娘を颯爽と助けるのが鉄板でしょう。イベントの1つぐらい起きて欲しいものだ。

 

 

 考えれば考える程凹んできたので、そろそろやめよう。

 トボトボと、通いなれた森へ向かいだした。




 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「うん、これは調子良いな」



 ゴブリン2匹がサクサク倒せるぞ。

 今までより倒すのが早く、防御するのも容易になった。


 

 現在の装備は


 武器 【手甲鉤】(拳につけ熊手の様に、爪がついてる物)

 防具 【詠唱+のローブ上下】+【木の籠手】+【木の足甲】


 以上。



 どう考えても、ヒーラーの装備ではないがとても具合がいい。

 このまま問題なくLv15迄はいけるだろう。

 消耗品の傷薬も、ヒールを覚えたおかげで減らなくなった。これならゴールドも今まで以上に貯められそうだ。今すっからかんだしね。

 

 

「ちょっと・・・冒険しちゃおうかな!」



 流石に刺激が足りなくなってきた。やはりギリギリを乗り切るのが一番楽しいのを知っているので、この安定狩りだけでは満足出来ない。

 死んだらデスペナがあるので、別に自殺したわけではない。だが、このままでは楽しくない。

 生きていく上で、楽しいってのは大事だからね!!冒険するぞ~!


 まずは狼と戦って、その後ゴブリン+狼の複合で戦闘してみよう。





 

 

「ウォーーーーーーン!!」



 ヤバイヤバイ!!仲間呼びすぎだろ!こっちはボッチなのに!



 狼を見つけ、まずは風魔法を撃ち込むまでは良かった。前に比べて精度も上がっており、木に当たる事もなくしっかりと命中させる事が出来た。

 狼もゴブリンと同じ様に、攻撃を当てて反応させれば突っ込んでくるもんだと思っていた。

 ところが・・・あの野郎、その場から動きもせず遠吠えですよ!気合入れて叫んだだけかと思ったら、速攻で狼が5匹増えた。



 と、言う事で前回殺された狼6匹との戦闘になってしまった・・・。

 今死ぬわけにはいかない。財布の中身がないのだ。これで装備を落としたら洒落にならん。

 気合入れて、全滅させてやる。



「うぉぉぉぉ!」



 気合を入れ叫んでみたものの、俺の仲間は現れなかった(そもそも仲間がいない)。



 あっという間に円陣を組まれ、そのど真ん中に俺がいる。どうしたら、死なないかな。

 同時に来られたら、何も出来ずムシャムシャされる未来が見えた。

 各個撃破だな!群れのリーダーは・・・きっと、あいつだ!


 正面に向かい猛然と走りこむ。驚いた顔?をした狼が一瞬怯む。そのまま接近する事に成功し、真下に向け拳を振り下ろす。

今までの裸拳とは違う。今は爪もあるのだ。先端を目に入れ、勢いそのまま地面へ叩きつける。

 鳴き声もなく、光になり消えていく。これならいける。


 

 あっけにとられた残りの狼が我に返り、ジリジリと飛び掛かれる間合いまで近づこうとしている。

 リーダーっぽい狼を真っ先に潰したのが功を奏したのか、恐怖心が生まれたのか中々襲い掛かって来ない。これはチャンスだ!


 先ほどと同じく正面に行くのではなく、大きくバックステップし背後を狙ってたやつへ近づき、沈み込むと同時に水面蹴りを叩き込む。

 手(前足?)を2本とも刈り取った為、顎を地面にぶつける事になった狼に、そのままもう一回転し逆足で顔面に追撃。足甲最高!クリティカルでも出たのか、1撃で2匹目も何とかなった。

 

 立ち上がりつつ詠唱し、右手の奴へ風魔法を放ち結果を見ず左前へ。勢いをつけ胴廻し回転蹴りを見舞う。こいつらはやはり、背が低すぎる。使える技がどうしても限られる。

 上手く脳天へ直撃し、一撃で光となり消えていった。これもクリティカルだな。これだけ連続してクリティカルが出るとは最高に運が良い!やはり女神様が俺にはついているのかもしれない!

 だけど、6匹に囲まれている時点で運が良いなどと言えるのだろうか・・・。そんな事を考えている場合じゃなかった。

 

 後3匹!



 流石に狼もやられっぱなしではなかった。右のももに激痛が走る。



「ぐっ!」



 見事に防具が無い所へ噛みつきやがって・・・堪らず肘を落とす。直ぐに口が離せなかったようで脳天に直撃する。口を開け離れた所へ、逆手で顔面へ一撃。地面を転がってる所に魔法で追撃。後2匹!!



 だったのだが…右足をやられ動きが鈍ってる所に、残りの2匹が噛みついてきた。今度は左脚の太ももと右腕の付け根だ。先ほどのを見ていたせいか、足に噛みついてる奴に肘を落とすもかわされる。右腕の奴は口を外し距離をとった。

 これはまずい。ヒールを使いたいが、その間に飛び掛かってきそうだ。少しの間睨みあってると



「ギィーー!!」



 噓でしょ!追加のゴブリンが2匹現れた。


 またデスペナ確定なのかな・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ