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オルフェンとの再会

 大分遠い所をギンナルPTの短剣職達が先行している。しかし、そろそろ胞子の海の中心部だと思うが、まだ辿り着いてないのか?

 まぁ毎回中心部に居るとは限らないが・・・。

 現状オルフェンが出てこない理由として、考えられるところとしては、まず居場所が前回とは違う可能性。

 そもそも毎回中心部に居る訳ではなく、毎回ランダムで居場所が違う、とか。一回しか見てないから細かい所が分からない。


 次の理由としては魔物に見つからないスキル、ハイドの使用効果がレイドボスであるオルフェンにも有効だった場合。

 この場合は、先行してる短剣職は見つからないが、後ろからついて行っている俺たちは見つかる。そうすると急遽出てくるから困るな。


 もう一つとしては、単純にまだ胞子の海の中心へ到達していない。そもそもゲームみたいに、マップが視界の隅に浮かんでくる訳ではないので、あくまでここ迄歩いてきた感覚だからな。

 正直これが一番理由としては正解な気がする。そうなってくると、そろそろ遭遇するはずだが・・・。

 

 その時だった。一番先行していた短剣職が急に立ち止まり周囲を見渡した。こちらはその様子を見て、全体に停止の指示を出す。

 いち早く何かを察した短剣職に釣られて、他の先行していた部隊も立ち止まり警戒する。皆一様に緊張しているのが良く分かる。これは当たりかな。



「全員その場で待機!うちのPTと、眷属盾PTのみ、ギンナルPTの後ろへ。配置出来次第、バッファー達はフルでエンチャント開始!」



 短剣職達の感覚と、俺の距離感も信じてこの辺りにいると踏んだ。ま、最悪居なければ、少し休憩してMPを全回復させてからまた探せばいい。

 困るのは最低限しかエンチャントをしてないのに、戦闘が始まってしまった時だ。流石のセラもエンチャントが全く無い状態でメイン盾をするのは辛い。攻撃面はともかく防御面を整えておかないと、まともに喰らえば一撃死もあり得る。

 

 うちのPTと眷属盾の2PTがギンナルさんの後ろへ辿り着き、ハクを含めエンチャントを開始してくれている。ギンナルさんも忙しそうで、話しかけられないな。

 俺はボディオブアバターと自分にバーサーカースピリッツだけかけて終わりだ。ディムがちゃんと気を利かせてくれており、ダンスオブコンセントレーションを踊ってくれている。

 そのお陰でハクの詠唱がメチャ早い。とは言え、9人ではなく血盟全員だからハクも入れて20人だ。良く誰に何をかけたか覚えているな。

 ただ適当にかけているのではなく、最初にかけるものは万が一切れた時でも影響の少ないもの。それを人の好み事に把握してかけているのだ。

 その上今回など、全体エンチャントの時間管理もする。今かけたのはメイン盾のうちと眷属盾PTの2PTだ。この後接敵したら、他PTにもエンチャント指示を出す。


 そうなると効果時間のずれが出来てしまう。本来なら全員合わせた方がいいのだが、それをすると全員同時にエンチャントをかけ直し&間に合わなければ全員のエンチャントが同時に切れてしまう。

 それを避けるためにも、タイミングをずらしてもらっている。ハクには手間をかけてしまうが、やり遂げてくれると信じている。

 ストップウォッチやキッチンタイマーでもあれば良いんだが、体感の時間でやってるんだから恐れ入るよ。


 

 無事にエンチャントも終わり、セラを先頭に楽園の管理者が先行する。ひし形───ダイヤの形で頂点がセラ、真後ろの囲いの中に俺。その後ろにハクとユイ、それにレナ。周りを囲むように、他のメンバーは並び、最後尾にワニが居る。

 その少し後ろに、ほぼ横一列で戦乙女が付いてくる。受けをする訳ではないが、眷属盾PTがヘイトを取る前にもしこちらへ来てしまったら、対処してもらう予定だ。

 楽園の管理者の両サイドには同じくダイヤの形で、眷属盾PTが1PTずつ少し後方にいる。眷属がここで5匹だけ出てくるのか、それとも周りで待ち伏せして後で出てくるのか・・・。

 そんな事を考えていたら、何かが胞子の海から起き上がる。



「セラ!!」


「見えている!」



 セラがすかさず走りだす。誰よりも最初に接敵する為だ。ヘイトを維持するだけでも大変なので、せめてFA(ファーストアタック)は確実にとってヘイトを稼ぎ、最初だけでも楽をしたい所だ。

 近づいている間にも、どんどん姿が見えてくる。あぁ・・・忘れもしないこの姿。前回はこいつと戦ってはいない。眷属だけを相手にしていたにも関わらず、こちらは半壊したのだ。

 完全に立ち上がり、その姿を見つめる。やはり10m位はあるだろうなぁ。本当に大きい。今更ながら、こいつを倒す事が出来るのか不安が押し寄せてくる。



「ハガネさん、私達も居ます。ハガネさんが居ます。負ける事なんてありません」



 傍に居たハクから、静かに・・・だが力強い言葉をもらい不安が吹き飛んだ。そう、やるしかない。皆が居ればどうにでもなる。覚悟しろよ、オルフェン。



「全員フルエンチャント!眷属盾PTは周囲警戒!」



 気合を入れ直し、敵討ちを始める事にした。

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