1対2は厳しい
森に狩場を移してから、2週間が過ぎた。
何匹も倒したおかげで、ゴブリンを倒せる大体の目安が分かった。
行動パターンとしては、武器の振り下ろし。それか、押し倒しての喉元へ噛みつきだ。
噛みつきを喰らいそうになった時は、かなり焦った。多分受ければ死んでしまう。
倒すのには魔法2発と、素手で2~5発は必要だった。ゲームと違い当たり所によって、ダメージの違いが大分あるようだった。
そりゃそうだよな。剣で一撃刺したとして、刺した場所が手のひらと頭じゃ違うだろう。
安定して狩れるようになってきたが、まだレベルは8だ。成長がかなり遅くなっており、レベル上げの厳しさを実感する。
そろそろ冒険する頃合いか。デスペナにビビッて、引き狩りオンリーでは、いざって時に何も出来ず死ぬ事になる。
狼にやられた時のように・・・。
ここからLv10迄は1対2を繰り返して、プレイヤースキルを磨くぞ!
狼は、森の浅い所には出てこない様なので、ゴブリンだけなら何とかなるはず。
まずはやってみなきゃね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゴブリン2匹を反応させてから、森の外へ。
前後に挟んできたりはせず、正面に来てくれた。知能があるとはいえ、そこ迄頭が良い訳ではないな。
しかし、同時に突っ込んでくるのはやっかいだ。まずはゴブリンAに魔法を当てる。
怯んだ事により、足並みが乱れた。これなら一匹ずつと変わらない。
一人で突っ込んできたゴブリンBの攻撃を両手を頭上でクロスして十字受けし、そのまま右肘を振り上げ顎に攻撃を加える。
頭が跳ね上がった所で、喉元へ指を固めもう一撃。側頭部へ左手で掌底を打ち込む。
本当ならそのまま連撃を入れたいのだが、もう一匹が近づいてきた。
とりあえず、目打ちを入れて時間を稼ぐ。
最初に魔法を受けた、ゴブリンAが棒を振り下ろしてきた。
腕を頭の上で斜めに構え、滑らすように受け流し、ゴブリンが体制を崩した所に逆手で正拳突きを放つ。
クリティカルヒット?したようで、吹っ飛んでのたうち回ってる。すかさず追撃の魔法を放つ。
ゴブリンAが光となり、消えていった。
レベルが上がったおかげか、倒すのが早くなった!これは嬉しい。これなら3匹とかいけるんじゃね!!
と、浮かれて警戒を怠ってしまった。
ゴブリンBが後頭部を狙ってきた。
辛うじて、頭部を守りつつ前かがみになり背中への一撃で済んだが、かなり痛い・・・。
「ゲホゲホッ」
背中を打たれ呼吸が乱れる。ゴブリンBへ向き直り、構えようとしたが遅かった。
振り向いた時には、既に足元へタックルを仕掛けてきていた。
膝で迎撃するか、足を下げかわし、上から潰すかが有効だとは思うが、こちらにそんな余裕はなかった。
結果押し倒され、腰に乗られる。
まずいまずい!!嚙みつきがくる!!
このままではやられる。
左手で首を守り、右手をゴブリンBの側頭部へ構え詠唱を始めた。
しかし相手の方が早く、左手に噛みつかれるも籠手のおかげでダメージを受けずにすんだ。
装備しておいて良かった!
「ウィンドストライク!!」
ゴブリンBのこめかみに直撃し、光となり消えた。
「あーーーしんどいっ!」
起き上がり、生き残れた事を喜びつつ叫んだ。3匹とか絶対無理だなこれ。
調子に乗るのは良くない。勝って兜の緒を締めよ、だ。
でも、この調子で集団戦を繰り返せば、もう少しまともになれるかも。
生き物を殺す抵抗なんて、とっくに無くなってきたし、やらなきゃやられる。
将来PTを組めば、こんな接近戦ばかりするメイジなどいないと思うが、いざって時の為だ。
このままプレイヤースキルを上げつつ、ヒールを覚えるまで頑張ろう!!
昔に感じていた、武道の楽しさを思い出しつつも、目指すはヒーラーだ。
早い所杖でも買わないと、このまま接近戦大好きな地雷ヒーラーになってしまいそう。
でも、それもありかな?とか考えだしていた。
もし少しでも面白いと思って頂けたら、↓の☆をクリックしてもらえたら嬉しいです!
ブックマーク迄してもらえたら・・・幸せになります!