リカとのデート
休日2日目。ハクとのデートの翌日、俺はリカを誘って出かける事にした。
何となく次にデートへお誘いしなければならないのはセラな気もしたが、セラとは訓練場で一緒に鍛錬したりと接点がある。
リカとはそういった事もなく、基本朝食を皆で食べる時位しか、私生活?では絡みが無い。
そういう意味ではディムも同じだが、これまたやっぱり何となくだが、仲間になった順番で出かける事にした。
リカと2人っきりで出かけるのなんて・・・2回目位かな?朝食時には良く話をするし、狩りの合間や狩場での食事の時に沢山話しているから、仲良くなった気になっていたが、意外な程サシで話した事がないな。
今更緊張したりとかは無いので、やっぱり楽しみだな。朝食を皆で食べ終えリカと2人で出かける事にした。当然ワニを含め全員に、リカと2人だけで出かける事は伝えてある。
今更隠れてコソコソする気も無いし、オープンにいかないとあらぬ疑いを生むからな。
「いこっ、はーさん♪」
俺は上機嫌のリカと宿を出発した。本日の予定はリカ任せだ。さりげなく腕を組まれたが、これだけ機嫌良くなって貰えると俺も嬉しくてニコニコしてしまう。
それにやはり綺麗だし、可愛い。何よりこちらに好意を持ってくれている状態なのは、とても幸せだ。俺はどれだけ贅沢してるんだろう。
「まずは───アクセサリーが見たいな!」
俺に否は無いので、お供する。
セラが金髪碧眼の美女エルフだとしたら、リカは銀髪黄金目の美少女エルフだ。最近はセラも弟子と言うよりは、男女の仲になってきた気がする。
以前迄は、顔は綺麗だけどあんまりそういう目で見れなかったが、最近はたまにだけど女性らしさを見せてきてくれる事もある。
相変わらず鍛錬を一緒にやっているので、弟子の側面が強いが、やはり可愛いなと思う事が増えてきた。
「んんっ!はーさん、別の人の事考えてる顔だな。いつもは良いけど、今は・・・・・・嫌だな」
「ごめん、リカ。分かった、気を付けるね」
「よろしい!」
鋭いなぁ。そして可愛いなぁ・・・。腕を組みながら、上目遣いで見られるとドキっとしてしまう。リカにも当然婚約者の話しをしてある。4人同時に伝えたからな。
元々積極的ではあるけど、最近はそこに遠慮が消えた気がする。俺は嬉しいから良いんだけど幸せをまき散らしてるから、その内誰かに後ろから刺されたりしそうで怖い。
ちゃんと場面をわきまえないとね。俺基準だと、今はイチャイチャしても良い気がするので、周りは気にしない。たまには良いかなと思った。
そのまま仲睦まじくアクセサリー屋に入り、可愛いリカを沢山褒め、赤っぽい金属?か何なのか分からないけど、1つプレゼントとして購入した。
ブレスレッドを購入したのだが、リカの透き通る様な白い肌と、見つめられたらドキっとする黄金目にとても似合っていた。リカはご満悦だし、俺も嬉しい。
その後は広場に行った所で大道芸人なのか、吟遊詩人と呼ぶのか、何と言うのか分からないが・・・兎も角、陽気に奏でてる音楽を二人で聞きながら、屋台で買ったフルーツを食べたりと、まさにデートをしてる気分に浸れてた。
狩りでレベル上げを行い、自身の成長を確認出来るのは好きだが、やっぱりこういうのも良いなぁと再認識する。
まだセラとディムとは婚約者宣言をしてからデートしてないから、次の休みには何処かへ行こうかな?とそこ迄考えてからだけど、頭から消す。またリカに嫌な思いをさせてしまう。
誰に対してもそうだけど、2人で居る時位は他の人の事を考えないのは最低限のマナーと心に刻んでおこう。
無事にデートも終わり、休日も終わりだ。また明日から狩りを頑張るのと、レベルが全員52になったらすぐ町へ戻ってスキルを覚えよう!!
装備の更新は全員出来ると思う。それぐらいは既にお金が貯まっている。
500ゴールドのローブが購入出来なかった事や、300ゴールドの宿屋に泊まれなかった転生したての頃を思い出す。
なんなら50ゴールドの串焼きすら買えなくて、ひもじい思いをしながら野宿したもんな・・・。あの時は井戸の水が無料で使わせてもらえて大変助かった。
辛かったのは間違いないが、ファンタジー世界で冒険してるなって実感がとてもわいたな。ウサギとずっと戯れていただけだけど・・・。
始まりの村から少し離れた所にある教会の神父様は元気かな?この世界で初めて会った人物だし、やっぱりいずれは初期村へ帰って挨拶に行こう。
きっとなんら変わりなく、元気でいてくれる気がする。その為にもまずはオルフェンを倒せる様にならねば。鍛錬あるのみだ。
購入する装備は、やっぱり最大MP向上のローブに詠唱速度向上を付けるのがきっと良いよな。武器はどうしようかな。最近全然肉弾戦をしていない。
接近戦は大好きだが、フェアリーの谷で狩りをするならMPが余ってるし、オーラバーンを使用した方が倒すの早いからなぁ。
武術はやはり急所が分かった方が良い。それであれば武器よりも効率良く倒す事も出来る場合がある。
そもそも武術の目的として、力で劣ってる者が力の強い者と戦える様にと、対人戦の為に練られたものだから人型以外の魔物に効率的なダメージを与えるのが難しい。
完全に人型の魔物か、対PK用だろうな。この世界に対魔物用の武術は存在しない。剣で斬る方が安全だから、対魔物武術はきっと発展しないだろう。
でも、俺が好きなんだから対人戦をもっと突き詰めてから、対魔物武術を模索しても良いかもしれない。
そんな事を考えながら皆で朝食を食べ、フェアリーの谷行きの乗合馬車に乗るのであった。