表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/200

ハクとのデート

 無事にフェアリーの谷での5日間の狩りが終わり、2日かけてザイオース城下町へ戻って来た。レベルも51迄上がり、もう一度狩りへ行けば念願のBグレード装備も見えてきた。


 装備の更新も嬉しいが、レベル52で覚えられるスキルが、どの職もとても良いスキルを会得出来るのが魅力的だ。

 そこ迄覚えてしまえば、各職業の特徴をもっと生かした狩りが出来るだろう。早くレベルを上げたいところだが、休日は大事だ。今日と明日は各自、自由行動で休みを取る事にした。

 いつもの通り冒険者ギルドで報告と換金をして、訓練場に行きワニ、セラ、ミラと4人で対人戦の鍛錬を積む。最近PKとは遭遇していないが、確実に何処の狩場にもいるはずだ。

 そして遭遇するPKはきっとレベル52オーバーが多いだろう。Bグレード装備に身を包み、有用性の高いスキルを使ってくる。警戒は怠らない様にしなければ。


 鍛錬が終わり、少し町中をぶらつく事にした。



「あ、ハガネさん!」



 遠くで手を振っているハクが見える。こちらも小さく手を振り、合流する。



「ハクは買い物?」


「はい!良かったら・・・ご一緒しませんか?」



 やる事も特に決まってる訳では無いし、喜んで承諾した。これから私服等を買いに行くそうだ。

 今来ている私服はワンピースタイプの白い服とニーハイソックスとはこの世界では言わないだろうが、そんな見た目の物だ。

 相変わらず絶対領域を死守してくれているな。俺がそういうのを好きだって伝えちゃったからか、それからこれ系の私服しか見てない。本人も気に入ってはいるみたいだけど。

 それと狩り中と違い、小さなピアス・・・かな?を耳に着けている。銀で出来ているのか、キラキラして可愛らしい、



「今日の格好も、とても良いと思う」



 そう伝えると小さくガッツポーズをしている。ハクさんや、そういうのは見えないタイミングと場所でやるのが良いと思いますよ。気づかなかったふりはするけど。

 まぁ見えてても、それはそれで可愛いから俺としては嬉しいから良いか。ハクが計算してやっていたら、ちょっと怖いなと思ってしまったが。

 

 もうかなり長い事───ハクとは初期村から旅を続けているが、実際2人っきりで出かけた事は数えられる位しかなかったな。基本的に俺が狩りの事を中心とした、レベル上げ効率を求めた廃人だからいけない。

 以前も思ったがこの世界でのレベル上げが、実感出来過ぎて楽しすぎるのがいけないんだ。

 日がな一日釣りをしたり、話をしたり、フェアリーの谷の様な観光名所になりそうなところに行ったりを、全くしていない。今のレベルと装備でフェアリーの谷で観光などしたら死んでしまうが、例えばこのレベルになってから初期村のダンジョンに行ったりするのだ。

 ハクと2人で行ったりすれば、思い出補正も入り楽しいだろうなぁ。

 だが、この世界では観光をするような人は居ない。初期村だってPKが出る事もあるのだ。自分の命をかけてまで観光する人など、前世じゃひと握り居るかどうかだ。皆そんな事はしない。でも俺はしたいと思う。

 今までも思っていたが、いつになっても実行してない。宣言して必ず行くか!


 で、ハクにオルフェンを倒したら、2人っきりで初期村へ行かないか?と言おうとしたが無理だな。ハクは承諾してくれるとは思うが、観光に行ってる間他のPTメンバーはどうなるか分からない。

 ワープの魔法が有って、一瞬で行けるなら3日位皆休みにして出かける事は出来るだろう。だが、そんな便利な魔法は無い。

 もし2人が初期村へ行くなら・・・どのぐらいかかるんだろう。移動時間だけで、往復1年近くかかるんじゃないか?その間はバッファーとヒーラー抜きで狩りしてて~。とか言えない。

 仮に俺ら2人が居ない間に、プロフィットとビショップを探し加入してもらって、狩り続けてもらう事はギリギリ・・・有かもしれない。

 だが戻って来たとしても、その人達を追い出す様な事は出来ないし、そもそも1年狩りもせずまた皆と合流してもレベル差が開いてしまう。

 レベル52を過ぎてからは、いくら効率良い狩場で最効率の狩りをしても早々上がらないとは思うが、1年も有ったら取得経験値が恐ろしく離れ、追いつくのは厳しい。


 色々考えてみたが、日帰り温泉とか、一泊が限界だな。ハクに余計な事を伝えなくて良かった。

 でも近場位は行きたいな。目標にはしておこう。



 その後はファッションショーの様な感じになり、色んな服を着たハクを見れて眼福だった。

 この世界にも、結構多種多様な服がある事に気が付かされた。

 人種が多いだけあって、エルフに好まれる服やドワーフに好まれる服等、分かれて販売されていて、ちょっと面白かったな。


 店員がお決まり誉め言葉、奥様にはこれが似合いますね、的なリップサービスをハクがとても喜んでくれていた。まだ婚約者ですよ、と返答したが、それはそれで婚約者という単語に喜んでいたので、ハクが幸せそうで良かった。


 やはり他の皆とも2人っきりでお出かけは行く様にしよう。

 今回の件が、きっとハクの口から語られるだろうから、やんややんやと言われる前に、自分から動いておくことにしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ