ファンタジー=ゴブリン
いつの間にか、ブックマークしてくれてる方や、評価をしてくれた方がいました。
自分で読んでも、読みづらい作品ですみません。精進致します。
他の作品の様に、皆様が楽しいと思って頂けるものをもっと書きます。
評価とか滅茶苦茶嬉しかったです!!ありがとうございます!!
余計な事言ってすみません。なるべく私の事は書かないようにしますが、嬉しすぎて書かせて頂きました。引き続き、宜しくお願い致します。
森に入ったはいいが、既に日が傾き始めてる。流石に暗くなると厳しい。
魔物を探して、一匹倒したら帰ろう。
今日はお試しだな。
今まで平原でしか狩りをしてなかったので、森の中は視界がすこぶる悪い。
こんな所で狩りして大丈夫かな・・・。
段々不安になってきた。
最初はガサガサ音を立てつつ、元気に歩いていたが、今は抜き足差し足だ。
先に見つかるのは避けたい。
森の魔物がどの位強いのか、想像してみよう。
想像して、備えるだけでも大分違うはず。
ゴブリン・・・人間の子供並みの知能と、獣じみた性格。
残忍で、女性の天敵。中には弓迄使い、遠距離攻撃をしかけてくる。
狼・・・大型犬より強い上に、連携してくる。
どちらも恐ろしい魔物だ。
ま、ゲーム+漫画とかの知識だが。
実際前世?で大型犬と戦う事を想像しても、棒切れ位じゃ勝てる気がしない。
魔物だし、それよりきっと強いのだろう。普通に考えれば人間1人で挑んだりしたら良くて大けが、悪ければ死ぬだけだ。
じゃあ、何故森に入るか?
魔法が使えるからです!!
ゴブリンや狼ごとき、魔法が使えれば余裕ですよ!
ウサギよりは経験値も、魔石もうまいはずだし。
1匹でどの位の魔石と経験値が手に入るのか、ワクワクする。
不満があるとすれば、ゲームみたいに経験値がパーセント表示されない事だ。
HPバー、MPバーも無いから、体感で把握するしかない。
ファンタジー世界や、ゲーム内に転生して地味に良い機能は、ステータスが見れる事だと思う。
後どれぐらいで、自分が成長出来るかわかれば、やる気が違う。
HP、MPも可視化されていれば、安全に繋がる。
所持金が見れたりするのも良いだろう。
それが何故か何一つない。
女神様的なのは、俺の事を見落としたんじゃ?
今からでも良いので、白い空間で心を読まれつつ、絶世の美女とお話ししたい。
残念ながら、そんな事を考えていても、女神様からの呼び出しはなかった。
ガサガサッ!!
「ひゃっ!」
「ギィーギィ!!!」
・・・・・・ゴブリンに見つかった。
なんて情けない声が出るんだ。冒険者なのに、ビビりすぎている。
でも、怖いよ?こんな森の中で魔物に出くわしたら、普通逃げるだろ!
それでは意味がないので、早速魔法を試そうじゃないか。
「ウィンドストライク!!」
右手を前にかざし魔法名を唱えると、時間はかかったが風が手に集まり、塊となって飛んでいく。
「勝ったな」
思わず声に出てしまった。
本来なら白髪のナイスミドルに言わせて、あごの下で手を組み、あぁ。と呟くのが作法だが。
「・・・・・・あ」
俺の放った初めての魔法。
木を抉る程の、素晴らしい威力だった。
普通に考えれば、こんな障害物の多い場所で、遠距離攻撃を当てるのは難しいだろう。
そんな事は少し考えれば、子供でも分かる。
ゴブリンだって、弓を使うなら樹上から狙うだろう。
じゃあ何故ゴブリンよりも賢いはずの俺が、魔法で倒す事に疑問を抱かなかったか。
それは、ゲームなら100発100中だったのだ!
結果として、俺の魔法は当たらなかった。
そして、その無駄な時間が有った為、今やゴブリンが目の前にいる。
木の棒を振り上げ、今から降ろす所なのだろう。
死ぬのかな。
「うわあぁぁぁぁ!!!」
裂帛の気合と共に、ゴブリンの胸を貫いた。
とか、言ってみたいのだが、実際はビビッて悲鳴をあげつつ、タックルしただけだ。
前に出られただけでも、
大したものだ。大物になるだろう。
と、誰かに呟いて欲しい。
ゴブリンを押し倒し、上に乗っかる形になった。
マウントポジションみたいな状態ではなく、ただ乗っただけ。
殴りつける事も出来ない。
もみくちゃになりつつ、必死に相手の武器を落とす事に成功し、一先ず頭をかち割られる事は無くなった。
だが、安心した瞬間に左腕に嚙みつかれた。
「あぁぁぁぁぁ!!!」
痛い!熱い!!臭い!!!
何でこんな目に。神父のせいか。
やめろやめろ、腕が千切れそうだ。
早く殺さないと。
右手をゴブリンの腹へ添え・・・
「ウィンドストライクッ!!」
ぶちかましてやった。
「ギィーーーーー!」
断末魔を上げ、動かなくなり光に包まれた。
魔石を残し、死闘を演じた相手はいなくなった。
森に残ったのは、左腕から血をダラダラ流した、ヒューマンメイジだけだった。
森に静寂が戻る。
しんどかった・・・もう帰ろう。
籠手とかあっても、二の腕辺りを噛まれ意味がなかった。
バイ菌とか大丈夫か、不安になってきた。
宿に泊まればHP全開とかなさそうだし。
この世界は全然優しくない。
道具屋で傷薬でも買おう。
さて、村へ帰るか。
そう思い、立ち上がると・・・・・・
ガサガサガサ!!!
見渡せば6匹程の狼に囲まれていた。
・・・・・・さよなら、未来の嫁。