情報収集と言えば、冒険者ギルド
5日間風呂に入りっぱなしでもいいが、一応PTリーダーだし、狩場情報を調べる事にした。
早く狩りに行きたいのと、実際の狩場が分からないので、調べるに越したことはないと思ったからだ。
毎日夜には宿屋付近の酒場に集合して、皆でご飯を食べつつ情報交換をする事にしてある。その時にドワっ娘の話だけしたら、また白い目で見られそうだしな。
少しはPTリーダーっぽいところを見てもらわないとね。
狩場や魔物を調べると言えば、やっぱりギルドでしょ。通りの目立つところに大きい建物があったので見てみると、看板にしっかり冒険者ギルドと書かれていた。
中へ入ると大きな町のギルドだけあって、人が非常に多い。今は14-15時位かな。この時間だと狩場にいる人間の方が多いはずだが、冒険者はどんだけいるんだか。
ここにいる人数よりも冒険者は多いはずだから、狩場の込み具合が気になるな。
まずは受付へ行き、受付嬢に声をかける。
「初めまして。カストール村から来ました、ハガネと申します。これからこの町を拠点にするので、挨拶へ参りました」
「ご丁寧にありがとうございます。私はザイオース城下町のギルドで受付嬢をしているレイと申します。今後とも、宜しくお願いします」
おぉ、丁寧な人だな。受付嬢はエルフなので実年齢は分からないが、見た目はアリアと同じ位かな?透き通る様な白い肌と、碧い瞳が美しい。髪色はセラの金髪と違い、銀色だ。
うちのPTのエルフ達と並んだら綺麗だろうなぁ。是非セラ、リカと並んでるところを見てみたい。
「PTをお探しですか?良ろしければレベルや職業を教えて下さい。こちらで探す事も可能ですよ」
「いえ、既に9人PTですので。お心遣いに感謝致します」
そういってギルドカードを渡す。
「わっ、お若いのにもうCランクなんですね!凄い!えっとお名前がハガネさん。PT名は・・・楽園の管理者!?」
ん、何でそんなに驚くんだ。Cランクで驚いただけではなく、PT名で驚いたぞ。まだ今日こちらへ来たばかりなのに、何でうちみたいな小さいPTを知っているんだろう。
「楽園の管理者でハガネさんって言ったら・・・PTには綺麗な人ばかり、女性とみれば見境なく勧誘し、自分のハーレムに加える。しかもビショップなのに、接近戦を好んで行う頭のおかしい人とか・・・お噂はかねがね。まさかもうこの町へ現れるとは・・・」
え~・・・何でこんな遠い町までそんな評判が。ほぼほぼ事実だから否定はしないけどさ、これじゃ話ずらい。
「はっ!失礼致しました。狩場の紹介で宜しいでしょうか?後、個人的にお聞きしたい事が・・・」
「はい、何でしょうか」
「・・・ギルドの受付嬢を連れて行ったというのは本当ですか?それがあったから、ギルドが引き抜きを警戒して情報をくれてるんですよ」
顔を近づけ小声でそう尋ねてくる。まぁそれも本当なんだけどね。
「えぇ。アリアという方にPTへ入って頂きましたよ」
「おぉ!本当だったんですね!!じゃあ私はどうですか!見た目は・・・まぁそれなりに気は使ってます!」
急にアピールをし出したよ、この人・・・と言うかそれ有りなの?受付業務中だし、今初めて会ったばかりですけど。
「嬉しいご提案をありがとうございます。レイさんみたいな綺麗な方でしたら、是非ともうちのPTに。と、言いたいところですが、流石に何も知らない方をPTに入れるは難しいですよ」
「あれ・・・噂だと見境ないって聞いていたのに、思ったよりまともですね!」
結構失礼な事をさらっと言ってくるな。お茶をするぐらいなら喜んで行きたいところだが、まずは狩場を調べないとな。これから付き合いが長くなるかもだから、変な対応をしない様にしておこう。
「まぁ、それはまたの機会に。情報を頂いても良ろしいですか」
「わかりました!それでは説明させて頂きますね」
流石プロだな。切り替えが早い。俺はそれから付近の狩場について説明をしてもらった。
付近の狩場は・・・胞子の海───キノコや植物系の敵が多く、狩りはしやすいそうだ。だが昔に大型の魔物が出現すると噂が立ち、最近は狩りをする人が少ないそうだ。2PT推奨。
お次は国立墓地。スケルトンやゾンビ等のアンデット系が多い狩場。ここに行くとビショップの俺でも攻撃魔法がガンガン使える。だが、基本的には1PT推奨との事なので、うちのPTだと物足りないかもしれないな。
後はフェアリーの谷。妖精や精霊系の魔物が多い。入り組んだ迷路の様な場所で、毎年遭難者が出て、見つからない事が多いそうだ。特徴としては風魔法を良く使ってくる魔物が多く、風魔法に耐性を持っている魔物がいる。こちらも2PT推奨との事。
目ぼしいところで近場だとこの3つだそうだ。何処もここから2日ほどで行けるらしいので、近くて良いな。出来れば帰って来て、風呂に入りたいからな!
でも行き始めたら、また5日はこもる事になるだろうけど。
夜に皆と相談してどこ行くか決めよう。まだ4日先とは言え、出発が待ち遠しい。




