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詩「森と詩人」

作者: 有原悠二

(青い霧に反射する映写機の光、または月灯

りか、……「緑というよりは、青?」――朝

焼けを待っている永遠に離れていく朝だった。

(偉大なる王よ、汝の指先に言葉は火だ))あ

あ、違う、これは先の詩人のものなのだ。「プ

ラスチックについて語ったんだ。もちろん、

現代詩で」……愚策だったのかもしれない。

 森は黙する。木々の。

(ここは深い森だった。罪人)「あなたは許さ

れると思いますか?」……新月。影の中に、

「「思いますか? それとも――」(罪を償う

時間は無限にあるはずだと勘違いしている)

と、したら、追憶、深い深い水の底に沈んで

いく。船、、、

 遠吠えの命は山の上の神社のロウソクか。

獣道、罠は季節は、詩人とここは深い森「ね

え、「きみはいったいいつからここにいるの?」

木霊する水たまり――(例えば麦を収穫する

とき、パンの匂いが漂う(とき――)懲役の

思い出が目の前の脱獄。の歯車になって――

。月の布、ゆれている――

(、言葉、罰)だ、お前の)……音楽と健康

について語り合おうじゃないか「ワインでも

飲みながら?」(もちろん、フランス産のね)

 片手を木に。最後の。

目印のように、生きている月灯りの、死んで

いく朝が好きだった。(円盤だ、矮小な詩人よ)

森、その奥に。――「時代が変わってもわた

したちは変わらないとでも?」いや、きっと、

 誰もが、

同じような森を歩いている。同じような? 

 森を?

誰が?

  夏だ、その

       心象は。

             愚かな

……「だとしても、夏は嫌いな」ん」だ」熱

い、幹の奥から、燃え上がるマグマのように、

声が聞こえる。詩人の。よくわからない声だ。

  バカじゃない

         の?

            なにが詩よ

バカかもしれない、確かに。生きていること

に目的や意味を課す思考の無駄なことからも

 わかるように。

……(、偉大なる先住民の。ああ、)墓参り、

水の反射、「「王さま、それがあなたのアイデ

ンティティだった」

愚者、飢えていた、葉っぱ? その影に。言

葉が埋もれていく、秋の深いところに、母親

の冷たい孤独に、響く遠吠え。――「森が、

――」」森だ。

(溶けていく、鏡のように((森のように、)

 世界を構築しているものは、多分だけど、

煙草とかその煙草に火をつけるための百円ラ

イターとか、多分そんなものだと思うんだけ

ど、あの、シュッと聞こえる、あの刹那的な、

青の音、あれがきっと構築しているんだよ、

 詩を。。。

 霧、深い深い海のような、うねっている、

声が届くぎりぎりの半周、空をとぶ魚、ある

一定の範囲内から出られられないそこの主

or王さま、長い心象、一ミリ指を動かせばそ

れが脱獄は、死刑だった。

 ふと、下を。

新芽が枯葉を押しのけて、幻のような息づか

いに、風がもうすぐ吹いてくる。夜が明ける。

神聖にも下劣だった小さな年輪をなぞって測

って予想してはにかんで代謝してぐるぐると

その場で回って止まって目を閉じて誰かを想

って恋をして声に出して言葉がからまって複

雑に凡庸に唐突に道しるべのように手を差し

伸べるように悲しみに溺れるように誰かに甘

えたくなるように森の中に迷い込んだかのよ

うに夜の青さに驚いた子供の頃のように最後

の晩餐のように静かに愛を語るように――。


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