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1,はじまりへ、、
「ふぅー、ふぅー、、、」と荒れる呼吸と高鳴る心臓の鼓動。今はもう慣れたがだからといってこの緊張感が無くなったわけじゃない。この何者かにとりつかれる感覚はいまだに慣れない。だけど慣れるしかないというなんというかモヤモヤ感がこころの中を渦巻いている。
だがそんなモヤモヤを捨て、今は英語の短文のようにスラスラと詠唱できるようになったCGESをコールする。すると、目の前に霧が広がり全身を覆っていく。
霧が視界から消え去ると「憑着」状態になった。
今回憑着した奴(神)は、エジプト神話で冥界の裁判官と言われた「アヌビス」だった。プレイヤーネーム(PM)も憑着:アヌビスに変わっていた。本来こんなに殺戮を繰り返したりする殺伐としたゲームではなかったはずだったのに、、
今思い返せばこんな風になったのはあの空が気持ちいい程の群青色に染まった日からだった!