【400文字作文】mILk TeA (nO SugAr)
目が覚めるとベッドには、私ひとりっきり。
溜め息が、出た。
そんな自分に驚き、勢い良く上半身を起こ
すと髪の毛が視界を塞いだ。きっと今、私は
亡霊みたいなんだろう…と思うと、また溜め
息が出た。白くて薄い溜め息だった。
光が欲しくて、窓の方に目をやる。厚いベ
ージュのカーテンが必死に光を抑えようとし
ている窓を見て、映画館へ行きたくなった。
秋色のブランケットを怪人みたいに大袈裟
に纏いキッチンへ向かうが、二歩目でバラン
スを崩し狭い廊下のカベに手をついた。
小さなヤカンをコンロに掛けて火を点ける。
カチッと点火する音で、やっと目が覚めた。
紅茶を淹れ白いカップに注ぎ、スプーンで
ゆっくりとウズを創る。
紅茶のウズに、細くミルクを入れると、昨
夜の記憶みたいにミルクは渦を巻き紅茶を白
く、濁らせた。
私は目覚めたコトを少しだけ、後悔した。