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新年願掛けTS正月ネタ1本(2020年)

作者: 土屈 真

「あぁ~寒い」

今は大晦日、新年の初詣や除夜の鐘を突いたりと神社が忙しい時

その中で僕は参拝客として来てはいなかった

「ごめんね~ケンちゃん、バイトの子が熱出しちゃって」

ケンちゃんこと僕、健太は小さい頃からお世話になってるおばさんの手伝いをしてた

「でも、健太君本当に違和感ないよね、さっきも外国の人に話しかけられてたよ」

おばさんの娘で僕の幼馴染の[舞]も手伝っていた

「あはは」

現実逃避してても変わらない、僕こと[揺木 健太]は紛れも無い男だ

「ほんと、男の子なのに似合ってるわねぇ」

「それって私よりもサイズ小さいんでしょ、それに無駄毛とか無くていいなぁ」

それなのに、僕は巫女として手伝いをしている

時々、手伝いを頼まれることはあったけどさすがにこれは・・・

「すいませ~ん、破魔矢とおみくじをお願いしま~す」

「は~い、少々お待ちください」

そう言って会計を済ませたり、列を整理したり忙しかったから

僕は女装してることを気にすることは無かった

でも

「おねぇちゃん、これください」

「君可愛いね、連絡先交換しようよ」

「OH~ジャパニ~ズガール」

「あなたホントに可愛いわね、家に来てくれないかしら」

「こんなベッピンさんに出会えるなんて長生きしてみるもんだね」

老若男女、誰にも男だとバレてないことは堪えてる

こんな感じでしばらく動いていると

「健太さん、休憩どうぞ」

「はい、分かりました」

同じバイトの子から交代を知らされた

「ふぅ・・・」

流石にあんな風に動いていると疲れる

「あぁ!ごめん健太君、これ裏まで持っていってくれない?」

「は~い、分かりました」

女の子が持っていくのは大変そうな荷物だ

こうやって頼られると僕は男だと自信が持てる気がする

「裏の倉庫まで持って行って」

そう言い終える前に駆け出していた

受け取った荷物を持って裏の倉庫に行くと

そこには一人の男の子がいた

「僕?どうしたの?おとうさんとおかあさんは?」

迷子だろうか、荷物を置いて目線を合わせて話しかける

「おねえちゃん、巫女さん?」

「うぅ・・・こんな格好してるけどお兄さんだよ」

「へぇ~そうなんだ」

以外にすんなり信じて貰えた、働いてる時には訂正する暇もないけど

こうしてゆっくり話せるなら訂正したい

「でも、他の巫女さんより美人だよね」

「うぐっ!」

ダメージが・・・子供って純粋だなぁ

「巫女のお兄さん?」

「はっ!何でもない、それよりこんなところまで来てあぶないよ?」

これ以上傷口を抉られたくないから話を逸らそう

「ううん、大丈夫だよ、はい」

「?これは」

男の子から何かを手渡された

「お守り、巫女のお兄さん美人だからあげる」

今の子って結構マセてるなと感心するな僕!

「だから、僕は男だよ」

手の中のお守りに視線を落としているところだったので

顔を上げてみるとさっきの男の子が居なくなってた

「あれ?お~い!どこにいったの?」

声を上げて見るけど反応は無い

でも、下には足跡が残っていて本殿の方に続いていた

「帰ったのかな?」

そう深く考えることなく僕は仕事に戻った訳だけど


「ケンちゃん!?これどこで拾ってきたの!?」

それから2、3度目の休憩の時に

ポケットから落ちたお守りをみておばさんが声を荒げた

「男の子から貰いました、倉庫に荷物を運んだ時に

 あぁ!大丈夫ですよ、その子ちゃんと戻ったはずですから」

「ケンちゃん!その子に男の子だって言ったの?」

「えっ!うん」

「そう・・・ケンちゃん今日、ううん年越しは家でね

 ケンちゃんの家にはおばさんが連絡しておくから」

「でも、迷惑じゃ」

「ううんいいの、むしろ私の方が迷惑をかけたようなものだから」

おばさんが慌ただしく出て行くと

「お母さんどうしたんだろ?」

「さぁ?」

同じ時間に休憩していた舞が話しかけてきた

「でも、そのお守りきれいね。ちょっと触っていい?」

「うん、いいよ」

はい、と舞にお守りを渡したら

「きゃっ」

舞がお守りを落とした

「舞!大丈夫!?」

「うん、何か静電気?みたいな感じ」

落したお守りを拾ってみるけど何ともない

「ねぇ、その男の子どんな風に渡したの?」

「う~ん、普通に手渡しだったけど」

「もしかして健太君に一目惚れとか」

「笑えないんだよね・・・」

美人とか言われちゃった訳だし(グスン)

「まぁいいっか、とりあえずウチにお泊りってことね」

「舞ちゃん!健太君!交代お願い」

「「は~い」」

そのまま、年越しギリギリまで働いた


「おつかれさま、巫女のお兄さん」

バイトも終わって帰ってくると男の子が居た

「健太君、もしかしてこの子」

「うん」

「巫女のお兄さん・・・(ププ)」

笑いを堪えないで!

「それでどうしたの?こんな時間に

 もしかして、おばさんの親戚の子?」

舞に目を合わせるけど、首を横に振った

「ケンちゃん、本当にごめんね」

えぇ!どうしておばさんが!

「理由は今は言えないけれど、朝になったらちゃんと言うからね」

そう言い終えると慌てて部屋から出た

「えへへ、巫女のお兄さん」

年相応な男の子らしく、甘えてきた

「健太君は本当に子供に好かれるわね」

舞が男の子に触れようとすると

「きゃっ」

手を引っ込めた

「どうしたの?また静電気?」

「うん、どうしたんだろう」

「それより、巫女服は脱いだわけだから巫女のお兄さんは止めてね」

仕事が終わって私服に着替えていた

「?じゃあ何て呼んだらいいの?」

「健太でいいよ」

「健太?あ!じゃあケンちゃんで!」

おばさんと一緒

「う~ん!私は疲れたから先にお風呂に入ってくるね

 健太君、御守はよろしく~」

離れる様子の無い男の子を置いてお風呂に向かう舞

「それより、僕のお名前は?」

「う~ん、ケンちゃんが決めていいよ」

「そういうわけにもいかないよ」

頭をなでながら聞いていると

「ケンちゃんが決めて!」

強く言われちゃった・・・

これは決めないと泣いちゃいそう

「う~んと、え~~っとハクくんはどう?」

貰ったお守りが白くて綺麗だったから白からハクってさすがに

「分かった!ハク!」

喜んでもらえたようだ

「本当の親子みたいね」

ハクと遊んでいる内に舞が上がってきた

「健太君も疲れてるでしょ、入ってきたら」

「そうだね、お言葉に甘えるよ」

立ち上がろうとすると

「ケンちゃん、僕も入る」

「そうだね、一緒に入ろっか」

ハクも付いてくる気マンマンだった

「健太君はいいお嫁さんになるね」

舞がからかいながら言った

「うん!」

ハクくんも元気よく答えた、勘弁してくれ

そうしてお風呂に入って汗を流した後、客間にハクくんと一緒に寝た


「ふぁ~」

正月も言いことにぐっすり寝てた

「うみゅ」

あぁ、ハクくんこっちまで転がって来てる

起こさない様に身体を動かしていると違和感が

あれ?僕ってこんなに髪が長かったっけ?

後、ハクくんの声が僕の胸の所から聞こえるんだけど何か見えない

って!

「えぇぇぇぇぇ!!!」

思いっきり叫んでしまった

ハクくん起こしちゃったけど、そうも言ってられない

「声!声もへん!後胸重い、えっとえっと」

パニックになってる僕に

「ケンちゃん落ち着いて、落ち着いて」

ハクくんが僕に抱き着いてきた

それで少しは冷静になれたけど

「ケンちゃん!大丈夫!」

「何!今の声!」

おばさんと舞も慌てて来た

「あぁ・・・やっぱり」

と言いながらヨロヨロと膝をつくおばさん

「えぇ!誰!あの女の子!健太君は!」

と僕よりパニックになってる舞

その様子を見てると

「ケンちゃん、ケンちゃん」

ハクくんの声

「どうしたの?ハクくん」

と落ち着かせて振り向くと

「ケンちゃん!僕のお嫁さんになって!!!」

「えぇ!」

朝起きて女の子になったかと思ったら

男の子に求婚されました


2020年がTSF作品の多い年になりますように

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