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プロローグ

 ―――あれ、俺いつの間に寝てたっけ……


 霞レンはふと目を覚ました。だが現実では無いような感覚がする。そして思う。ああ、まだ夢の中か、と。


「こういうの明晰夢って言うんだっけか……」


 ぼんやりした思考でつぶやくと応える声があった。


「おや、起きたかい?夢では無いんだよねぇ」

「あぁ?」


 やたら重厚でダンディな声が聴こえたが姿は見えない。そこでレンは辺りを見回すが人気はまるで感じられない。そして自分のいる場所が高級ホテルも霞むような豪華な寝室で横になっている事に気付く。一つ違和感があるとすれば、ベッドサイドにあるこちらを向いたテディベアだろうか。豪奢な部屋に似つかわしくない、可愛らしいつぶらな瞳に赤いリボンが特徴的だ。そんな風に寝惚けながら見ていると、あろう事かテディベアが動き出した。


「ふむ、お互いつつがなく最適化が完了したみたいだねぇ。そうだ、自己紹介しよう!と言っても名前らしい名前が無くて、分かりやすく言うと『創造する者』、といったところかなぁ?」

「…………」


 紳士然とした動きをしながらテディベアがいきなりそんな事を言う。訳が分からない。これが夢でなくてなんだと言うのだ。


「夢では無いんだけどねぇ……。うーん、どう言ったものかなぁ、まあ簡単に言うと私が君、霞レンに一目惚れをして攫っ……こちらに招待したというところかなぁ?」

「何からツッコめばいい?」


(今攫ったって言いかけたか?アレか?俺が美しすぎるからか?つーかなんで俺の名前知ってんだ?ストーカーか?)


 思考の渦にハマりかけ、どうせ夢ならと、とりあえず話を聞くことにした。


「てかここどこ」

「私の居室だよぉ」

「へぇ……」

「とりあえずこれが夢では無い事を証明しようねぇ」


 次の瞬間、部屋の様子が一変し和室の様になる。


「!?」

「どう?凄いでしょぉ?ちなみに君も似たような事ができるんだよぉ。服を変えてみて」

「どうやって……」

「思い浮かべるだけで良いよぉ」


 今のレンはいつの間に着替えたのか、上等な寝間着にローブを着ている。言われた通りに普段着ている様な服を思い浮かべてみる。すると、あっという間に黒のVネックのカットソーに細身のジーンズ姿に変わった。


「……いや、益々夢だろこれは」

「ええ?ダメぇ?まあ、疑問が沢山あるみたいだしねぇ、イチから説明しようね。あと私はストーカーでは無いからね、心配しないように!」


 ビシッ!と音がしそうなジェスチャーをテディベアがするのは結構滑稽だ。


「まず、私はいくつかの世界を創造する役割を持っているんだけどねぇ、それが一先ず落ち着いて観察段階に入ったんだよねぇ。それで次の創造実験まで時間があるから、実際にこの目で見て回ることにしたんだよねぇ」


 曰く、ここは地球で言う宇宙の最果てのような場所らしく、このテディベアとテディベアが創り出した管理者しか認識できない場所だということ。

 観察する際に一人では何かと不便であったり寂しかったりするので同伴者が欲しいと思っていたこと。

 しかし現段階で自分の創り出したどの世界にも、自分の好みの見た目の者がいなかったこと。

 そして他の創造者の世界を見ていたらレンを見つけ、一目惚れし、地球の管理者に頼み込んでレンを誘拐した、ということらしい。


「君を見た時は全身に衝撃が走ったよぉ。まさに私の求めてい存在としてドンピシャで完全に唯一無二の存在!これはもう私の相方にするしかないって決めたよねぇ!」

「やっぱ言ってることヤベェ奴過ぎる。つーかアンタ神様みてえなもんなんだよな?俺が好みとか俗っぽくねぇか?」

「えーっと、ああ、うん。そうだ、好みはどうしようもないよぉ、俗っぽいと言われようがこればっかりはもう、あれだよ、地球基準の美と私の好みが一致してしまっているんだねぇ」


 急にしどろもどろになる自称神だが、不遜な態度を崩してはいない。けど話半分で聞いておく方が無難な気がする。


「で?これが夢じゃないと仮定して、それに付き合ったら帰れんの?」

「ウッ」

 

そう聞いた途端、テディベアは顔を逸らした。


「……分からないです」

「ハァ????」


 ―――分からない??テメェで掻っ攫っといて分からない??


 あまりの発言にレンは思わずテディベアの顔面を鷲掴みにしていた。


「うぶッ……しゅいましぇ、離してくらしゃい……」

「引きちぎるぞコラ」

「け、結構口悪いんだねぇ……嫌いじゃな」


 ブチブチブチブチ


「ア゜ッゴメンナサイユルシテ」

「で?なんで分かんねえんだクソ熊」

「う、うん、それは君を私の使徒化させたからなんだよねぇ」

「使徒化ァ?」


 使徒化とはつまり、管理者と同じ存在に変えることらしい。そしてこのクソ熊の管理下に入った事で地球が存在する世界の理から外れてしまったらしく、地球に帰れるかどうか分からないという事だった。


 ―――てことはなんだ?俺は人外と化したってのか?


「管理者と同等の権限なら、いくら強化しても世界自体に及ぼす影響は少ないんだよねぇ。私自身の力の調整は難しくて、私がこの姿をしているのも、世界を壊さないように存在できる最低限の力だけこれに入れているからなんだぁ。今の姿の私は、最適化が完了した君よりずっと弱いんだよねぇ」


 このクソ熊は、本来の状態で世界に干渉すると最悪世界が滅ぶらしい。本当かよ。


「まあだから、君がいてくれると一石二鳥って訳なんだよねぇ。君といる限り安心だし私好みの美しさだしねぇ!!それに、普通に生きていたらこんな経験絶対にできないだろう?面白そうではないかい?」


 クソ熊はそう多分ドヤ顔で両手を広げて訴えてくる。

 確かにこんなアニメみたいなこと、普通無い。こうなりゃヤケだ、話に乗ってみるのも一興か。


「大体分かった。いや分かりたくないが。騙されたと思って話に乗ってやるよ。但し、俺が帰れる方法は探せ。少なくとも家族に連絡を取れるようにしろ」

「うん!分かった、善処しておくよぉ」

「あぁ?!」

「必ず成し遂げます!!!!」




 なんだか訳が分からないが、自称神の異世界旅行に、俺は巻き込まれることが決定してしまっていたのだった。

思いつきと勢いで始めました。なんとか続けてみようと思います。

勢いで投稿するので誤字脱字あると思います。すみません。

ちなみに個人的イメージcvは

霞レン→斎賀み○き

クソ熊→中○譲治


今後ともよろしくお願いします

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