表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

10ヶ月前から小説を書いてる俺は一ヶ月前に小説を書こうと誘った友達がいつの間にか書籍化までされると知ったときの敗北感からどう立ち直ればいい?

作者: 龍ヶ崎 一輝

これは俺の8割がた実体験です。

「なぁ!俺、書籍化の打診が来た!!」








小説家になろうという小説投稿サイトに俺は小学校6年生の時に出会った。来る日も来る日も作品を読み続け、何時しか自分でも小説を書いて書籍化したい!なんて思うようになってた。


中学生の頃は「俺、絶対書籍化して金稼ぐわ」なんて笑いながら友達に言いふらしてたよ。


その時は自分はなんの確証もなく素晴らしい小説を書き書籍化されるなんて夢見がちな子供みたいな甘い考えをしていたんだ。


今だって心のどこかでは自分は少し頑張れば書籍化くらいできるって考えているくらいだ。あの時の思い込みは自分が思うよりすごかったんだろう。


高校生になってやっと小説を書き始めたはいいけど、部活に生徒会、バイト、体育祭、文化祭準備、、、色々あって執筆が進まない。


小説を書き始めた当初はアクセス数やブックマーク登録者数等を10分に一回見ては一喜一憂していた。


それが今やサイトすら開かなくなってしまった。

そのうち自分のモチベーションすら下がっていき、何時しか俺は、執筆することを辞めていた。


たまに小説の続きを書かなきゃという思いにかられることはあっても実行に移すことはせずに、文化祭の準備をみんなと協力してやったり友達と遊びに行ったりバイトしたりとそれなりに充実した高校生活を送っていた。


そんな時だアイツが話しかけてきたのは


「俺、日間ランキング38位にのってた!!」


「え、マジで?」


「マジで!俺も久々にランキング見たら俺のやつがのっててびっくりしたわ〜」


「すげぇじゃん!!」


そんなふうに褒めながらも俺の中には自分でも気づかないくらい小さく嫉妬の炎が燻っていた。


こいつは少し前、俺が小説を勧めた時に小説家になろうを知って、自分でも執筆を始めたヤツだ。


小説が好きみたいだから「小説書いてみれば?いい線行くんじゃね?」なんて言ったらほんとに書き始めんだ。


こんなにも早くランキングに乗るなんてきっと才能があったのだろう。


その日はなんかモヤモヤして気持ちが落ち着かなかったから、学校の帰りにバイト先のラーメン2杯やけ食いして家に帰った。


「日間ランキング27位になったわ!」


「おーおめでとう!すごいじゃん」


すぐにランキング上がるんだろうな〜なんて考えてたからそんな驚かなかった。


こいつは才能あるからこれからどんどんランキング上がっていってゆくゆくは1位とかにもなったりして。


この日も、もやもやしてバイト先のラーメン2杯とライスを食べて帰った。


「日間ランキング1位になったわ、、、」


翌日、俺が学校の休み時間机に頭を突っ伏して寝ていると、あいつが来てこんなことをのたまいやがった。


「いや、はぇーよ!!は?え、マジで?いや、この前27位って言ってたよな?え、どゆこと?早くね?てかすごくね?」


「いや、俺もマジでビビった、寝て起きたら1位になってて、はぁぁぁぁあ!?ってなった」


確かに1位になるかも、なんて考えたりしてたけどこんな数日でなるなんて誰が予想できるか!!早すぎるわ!!!眠気吹っ飛んだわ!!!


「次は週間ランキング1位目指すわ」


「まぁ、日間1位行けたんだから週間もすぐじゃね?」


「それがさ、今週間5位でなかなか上がんないんだよね」


あ、もう5位なんだ。


「いやほんともうすぐじゃん」


「あははははまぁね〜」


くそぉぉぉ、ニヤニヤしやがってーー!!


ここで初めて俺は自分の醜い嫉妬心に気がついた。

俺も本当はこいつみたいにランキングにのってたくさんの人に読んでもらいたかった。そんな思いが自分の中に確かにあった。

だけど、その気持ちに俺はそっと蓋をする。

きっとこの感情を爆発させてしまえば、俺たちの関係を壊してしまうそんなようか気がしたから。


いやでもこいつすげぇなほんとに、つうかまだ描き始めてから1ヶ月経ってねぇだろ、、、


最初は一人称や口調がバラバラでよく俺が偉そうに教えたりしてたのに、なんなだかいつの間にか俺とは違う所に行ってしまった。


モヤモヤしていたので俺は学校の帰りにバイト先のラーメン2杯とギョーザ定食をやけ食いして家に帰った。


「週間ランキング1位になった!!」


あ、うん知ってた、そのうちなるだろうなって分かってた。


思ってたより早かったなー


この日の学校の帰りはラーメン2杯とチャーハン定食だった。


それから数日、休み時間、また机に突っ伏して寝ていると、


「日間ランキング3位に下がっちゃったんだよねー」


あいつが少し落ち込みながら言ってきた。


「どんまい!でも今の順位でも十分すごいからかな?分かってる?」


この時俺は不覚にも少しだけ嬉しかったのだ。

それに気づいた瞬間最悪だなと思いながらもやっぱり嬉しかった。多分俺の顔はにやけてたと思う。


が、そんな気持ちも長くは続かず、数日後ついに悪魔の吉報が届いた。


「なぁ!俺、書籍化の打診が来た!!」


少し興奮した様子のあいつが俺の前に来てそういった。

あいつは尊敬する作家さんと同じ企業から打診が来たそうでとても嬉しそうにしていた。



その瞬間(とき)俺の胸の内を占めていたのは敗北感だけだった。




今日も俺はバイト先にラーメンを食べに行く。





10ヶ月前から小説を書いてる俺は1ヶ月前に小説を書こうと誘った友達がいつの間にか書籍化までされると知ったときの敗北感からどう立ち直ればいい?



~完~

読んで頂きありがとうございます。


これからは、少しずつでも執筆続けていくので長い目で見守ってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 私は自分が文章を「書こう」とし出してからの歳月の半分くらいの歳の人がガンガンプロに成って行くのを見てますが、何とも思いませんから、あなたもこれから二十年くらい書き続けて、自分の子供くらいの歳…
2019/07/02 22:40 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ